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    トラブルばかりの運転者 辞めさせる方法は?

    2017年8月25日

     
     
     

     ドライバーに関連するトラブルが絶えない。三重県に本社を置く運送事業者からは「ドライバーAから、A自身の保険料の支払いを止め、その分を給与に回せという話があった。必要な保険料を支払うことは法律で決められており、労基署からも払うよう説明を受けている。どうすればいいのか」「(改善基準告示を超える)違法な長時間労働となる走行をドライバーにさせ、平均より高い給与を出している他社を引き合いに出し、同様の配車を組むよう迫ってきたり、他社へ移るよう仲間へ声をかけて回っているドライバーもいる。やめるよう注意をしても直る様子がない。こうしたドライバーをなんとかしたいが、解雇は法的に可能なのだろうか」といった話があった。



     また、愛知県の事業者からも「新たに雇ったドライバーBが、過去に勤めていた会社でトラブルを起こしていたことを事業者仲間が教えてくれた。正社員として採用してしまった後だったので、簡単に辞めさせられず、数十万円をドライバーへ支払い、『双方合意の上での退職』という形にした。普通に辞めてもらう方法はなかったのか」という。人材を求める声がある一方、会社を守るために、こうした社員に注意を与え、ときには解雇を検討することもある。しかし、「法に觝触するのでは」と危惧するため動けなくなるケースも少なくない。こうしたトラブルへの対処として、解雇は可能なのか、専門家に聞いた。

     弁護士法人あおば法律事務所の上田敏喜弁護士は、Aの事例について「保険料については、Aが会社に対してルール違反の実現不可能なことを述べているだけであり、対応を拒否することになる。一方、そのことだけで直ちに懲戒処分を科すことはできない」とし、また他社移動を助長するような行為については「例えば、Aが新たに運送会社を立ち上げるために多数の社員に対し計画的に引き抜き行為が行われ、会社に大きな被害を加えられた場合、職場の秩序を著しく乱すものであり、懲戒解雇が認められる可能性があるが、一部の従業員に声をかけただけということであれば、懲戒解雇をすることはできない可能性が高い」という。「こうした引き抜き行為に対しては、社長が直接全社員に対し、会社の方針として行政処分の対象になるような改善基準告示違反のような行為はしないと述べ、引き抜き行為が広まるのを制止していくべきでしょう」と分析する。

     Bの事例については「前職などでの経歴のうち、社員の採否の決定などに影響を及ぼすような重要な経歴について詐称があった場合には懲戒解雇できる場合があります。軽微なものは別として、交通事故の履歴や道路交通法違反の履歴について嘘をついていた場合には懲戒解雇できる場合があるでしょう。就業規則などで、経歴詐称が懲戒事由となる旨を記載し、また、採用面接時に交通事故等に関わる事実について質問しておくべきでしょう」としており、面接時など採用前確認の効果を問いている。なお、金銭を渡した上での合意退職については「退職後に他の請求がなされないように、会社と本人との間で、何らの債権債務関係がないことを確認する条項を記載した合意書を作成するべきでしょう」と指摘する。

     採用選考時の面接などといった情報収集について、厚生労働省職業安定局は「職業安定法第5条の4及び平成11年告示第141号により、採用選考においては職業上必要でない限り、人種、民族、社会的身分、門地、本籍地、出生地、その他社会差別の原因となるおそれのある事項、思想および信条、労働組合への加入状況などといった個人情報を収集してはならないとしている」という。「雇用管理の上で必要であったり、業務目的を達成する上で重要となる情報(事故・法令違反履歴)を本人から収集する場合は、この限りではない。同様に採用を見送る理由とした場合も違法性はない」としている。業務に直接関係しない情報を問うこと自体ついては「条文に記載されている訳ではないので、質問することは法令違反ではない。しかし、業務上不必要な情報を聞いた結果、行政機関にそういった相談があれば、事業主へ事実確認を行い、業務上必要でない情報に関する質問は行わないよう指導することはある。しかし、強制力はないので、最終的には事業主の判断次第」という。

     
     
     
     
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