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荷主の引き抜き許さない! 良い人材を吟味し…
2017年9月29日
どの運送会社を訪問しても、まず口に出すのはドライバー不足。ドライバーの応募をしても何の反応もないと言われるほど、ドライバー不足は深刻化しており、荷主企業が車両台数を豊富に保有する運送会社にアプローチするケースが増えている。
こんな中で、運送会社だけが人材不足ではないと実感させられる出来事が各社で発生しているようだ。日本全体で人材は不足しているようで、運送会社からは、荷主企業からドライバーの引き抜きを受けたと言う声が聞こえてきている。大阪府和泉市の運送A社は荷主企業である物流会社から突然、専属傭車の依頼を受けた。同荷主企業には元々別の運送会社から数十台の車両が専属で取引していることをA社は知っており、荷主企業に専属傭車で入っている運送会社との取引は、どうなったのか尋ねると、荷主企業は事情があって取引をやめたと語りだした。急な話のうえ、さらに数十台の車両が専属の輸送となれば、A社もすぐには返答しにくいとして、検討することとした。A社は同荷主に十数台の専属傭車を行っていた運送会社担当者に同荷主との取引を取りやめたことについて話を聞くと、その運送会社は同荷主からドライバーを10人近くが引き抜かれ、頭に来た同運送会社の社長が同荷主に対して取引を停止したもので、荷主企業の事情で取引を停止したものではないとの説明を受けた。
A社担当者も同運送会社から話を聞き、ドライバーが引き抜かれては困ることから、経営者と相談のうえで同荷主に対し、専属傭車での取引を断ったと話す。また、大阪市で荷主企業から人材を引き抜かれた運送B社は「荷主企業が良い人材を吟味して引き抜く行為が当社でもあった。当社のドライバーが専属で荷主企業に配送業務を行うようになって数年が経過したころには、荷主企業の社員よりも仕事内容を理解していて、荷主から評価も高く、荷主からドライバーを変えないでほしいと要望されるほど、その荷主はドライバーが気に入っていた。そんなある日、ドライバーが突然の退職願を持ってきた。理由を聞くが『他にしたいことがあるので』とのことで、説得のかいなく、同ドライバーは退職。その後、ドライバーを変更して荷主企業に他のドライバーを配置した際に、この荷主企業に以前勤めていたドライバーがおり、現在、配置されているドライバーに対して、同荷主企業から就職を勧められたと話した。ドライバーは帰社後、担当者に以前のドライバーが荷主に引き抜きを受けたことを明かしたと説明し、当社から荷主企業に抗議したが、荷主企業は悪びれた様子もなく、労働者の権利として引き抜きの正当化を訴えたことから、当社では同荷主に対して車両の配置を取りやめるとともに、同荷主との取引を停止した」と説明する。
B社社長は「荷主企業も人材不足で、良い人材であれば、出入り業者の人材であっても平気で引き抜き行為をしてくるので、そういった荷主に対しては、即座に取引を停止する。人材を育成するのに時間と費用を要していて、大事な人材を引き抜かれてまで取引する必要もない。今後も引き抜き行為をする荷主企業がいれば、ただちに取引を停止するつもりだ」と怒りを露わにしている。
人材育成には費用・時間・労力を要する。それを簡単に他社に引き抜かれれば、どれだけ大切な取引先であっても、自社の存続に大きく影響してくるという経営者もいるほど、人材の重要性を感じている。荷主企業であっても、断固として人材の引き抜き行為には厳しい対応が必要だ。
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