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    移動スーパーの現状 買い物弱者を救う

    2017年12月8日

     
     
     

     高齢化が進むわが国では、山間部の過疎地域を中心に食料品などの購入が困難な「買い物弱者」が年々増加しており、全国に700万人いるといわれている。さらに、流通機能や交通網の弱体化によって、大都市圏も例外ではなくなっている。このように店舗を利用することのできない「買い物弱者」にとってなくてはならない存在が「移動スーパー」だ。全国で増えつつある移動スーパーの現状と、事業としての可能性について調べてみた。



     島根を拠点に電子部品の配送を行っている祖式運送(平田一成社長、島根県大田市)。同社は昨年1月から、同市内で移動スーパーの営業を行っている。同社は出雲市のスーパーと提携し、全国で移動スーパーを展開する「とくし丸」(住友達也社長、徳島県徳島市)のビジネスノウハウを山陰地方ではじめて採り入れた。移動スーパーは同市内の決まったコースを週2回巡回。1日40から50世帯を1台で回っている。平田社長は「実感として、あまりうまみのある事業ではない」としながらも、「社会貢献の一環として続けている」と話す。同社では移動スーパー事業の今後の展開について、「個人事業主で事業を行いたい人を応援する形で営業エリアが拡大してくれれば」と考えている。

     同じく、「とくし丸」の販売契約により移動スーパー事業を行っているのが秩父の老舗デパートの矢尾百貨店(矢尾直秀社長、埼玉県秩父市)だ。同社では約2年前から、客数の減少と上得意の高齢化で、食品売り場の個人宅専門外商「御用聞き」を行っていたが採算が取れない状況だった。そこで昨年1月に「とくし丸」のノウハウを採り入れることになった。町田真一リーダーは「現在2台で稼働しており、社員ドライバーと個人事業主ドライバーで回している」とし、「3台くらいでやらなければ安定した利益は出ない」という。

     「買い物弱者」救済にむけた「移動スーパー」による取り組みを積極的に行っているシブヤコーポレーション(澁谷武彦社長、石川県金沢市)は、移動販売車両の製造会社だ。「地元食材の地産池消を目的とした商品開発と、移動販売での販路拡大に取り組むために移動販売車両の製作と販売を事業としてスタートした」と澁谷社長。同社は、農協、全日食と連携して利益が出る移動スーパー事業のコンサルティングを全国で展開している。「全国各地から依頼が来ており、移動スーパーの需要は高い」という。「移動スーパーは、社会貢献の要素が強い事業ではあるが、利益が出なければ続けることができないため、利益の出るノウハウが重要」とし、「ノウハウがあれば移動スーパー事業の依頼がある新聞販売店やいろいろな業種でも利益を出すことが可能」と話す。

     2016年に移動販売事業をスタートしたローソン(竹増貞信社長、東京都品川区)では、専用車両を使用した移動販売を通じて、「地域買物コミュニティ」の実現を目指している。同社の移動販売事業は現在、全国63店舗(10月末)で実施。軽の専用移動販売車両37台、軽バン26台が稼働している。今後は47都道府県での展開を目指しており、運送事業者への外部委託も検討しているという。また、神奈川県川崎市の補助金事業による移動販売事業として「ウェルフェアイノベーション」プロジェクトの一つに採択され、移動販売を基点とする地域コミュニティづくりのきっかけとしての役割を担うとしている。

     このほか、自治体の補助金による過疎地域の「買い物弱者」支援として、群馬県みなかみ町商工会が企画した移動スーパー「たくちゃん」が11月8日に営業を開始した。同商工会は、売り上げの減少について相談のあったコンビニエンスストア阿部商店に対して、需要が見込める移動販売事業を提案。ノウハウについては、移動販売経験者や「とくし丸」を参考にしている。県の補助金(100万円)と、町の補助金(220万円)を活用し、同商工会が総額370万円の移動販売車両を購入。買い物に困っている人のリストは、社会福祉協議会や民生委員が提供した。同商工会の森山龍一経営指導員は「移動販売だけで利益を出すことは非常に難しい」としながらも、「回りきれていない地域もあるので、可能であれば2台、3台と増やすことができれば」としている。

     
     
     
     
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