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物流ニュース
下請取引の相談件数、すでに例年の3倍に
2008年11月26日
金融不安にともなう消費低迷など、経済の停滞が体力の弱い中小企業に大きな影響を及ぼし始めている。東京都内で、下請け取引に関する相談を受ける中小企業振興公社に今年度は、すでに例年の3倍近い相談件数が寄せられている。
売上金の回収や値引き、さらに不良品の処理方法や予告なしの取引中止など、代金回収と取引契約に関する案件が8割以上を占めており、厳しい経営環境に悩む下請け事業者の実態が浮き彫りとなっている。東京都も、「現段階で例年の相談件数をはるかに超えており、異常な数だ」(産業労働局)とした上で、「金融機関の貸し渋りも重なり今後、黒字倒産も含め、中小企業のさらなる経営環境の悪化が心配されるだけに、相談件数はさらに増えていくのではないか」と、警戒を強めている。
下請け取引への相談は、東京都の外郭団体である中小企業振興公社で受け付けているが、4月から10月末現在で相談件数は214件にのぼる。過去3年間を見ると、平成17年度が92件、同18年度が81件、昨年度が80件となっており、 10月末現在ですでに例年の3倍近い件数に達している。
業種別では、製造業と建設業とともに運輸・通信業が多く、54件の相談が寄せられている。相談の内容は、代金回収に関する相談が122件、取引契約に関する相談が63件にのぼる。
こうした現状に都も、「金融危機などを背景に、中小企業を取り巻く経営環境が大幅に悪化している」(傳田純・産業労働局商工部経営支援課長)と危機感を募らせている。金融機関の貸し渋りも指摘され、「帳簿上は利益が出ているのに、資金繰りが回らないという黒字倒産も心配される」と警戒する。
運送業界は燃料サーチャージの導入も余り進んでいないのが現状。一方で景気の悪化があり、事業者の先行きに大きな不安を残しており、中小企業対策が急務といえよう。(高田直樹) -
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