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ブログ・経営承継支援
第6回「従業員がM&Aに直面した際の良くある疑問」
2020年7月6日
皆様、こんにちは。
経営承継支援M&Aコンサルタントの村橋秀一です。
M&Aは、従業員にとっても人生に一度経験するか否かの大きな出来事です。
M&Aは、ある企業が他の企業や事業を買収することを言いますが、その手法は株式譲渡、会社分割、合併、事業譲渡と様々です。
なじみがないため、従業員は様々なことを不安に思われます。
今回は「従業員がM&Aに直面した際の良くある疑問」を解説します。
従業員がM&Aを伝えられた際、一番よく聞く声は、「これは倒産なのか」「リストラされるのか」です。
以前の連載の通り、M&Aは後継者のいないオーナーの引退手法であり、優良な会社でもM&Aされることはよくあります。
「M&A=倒産・リストラ」というわけではありません。
次によく聞く声は、「どうしてもっと早く知らせてくれなかったのか」です。
特に古くからの従業員から聞かれますが、M&Aが従業員に知らされるタイミングは、通常はM&Aがほぼ確定する最終契約締結後です。
M&Aは交渉途中で破談になるケースも多く、不用意に大切な従業員や取引先に伝えしまうと、不安を与えてしまうことになりかねませんので、従業員や取引先を思うからこそ最後まで内密にするのが一般的です。
最後によく聞く声は、「今後の待遇を不利益変更されてしまうのではないか」です。
M&A契約書では、「当面の間は従業員の待遇を維持する」旨を取り決めることも多く、また、労働法によっても待遇の不利益変更は規制されていますので、「M&A=待遇悪化」ではありません。
不安な場合は売主である元オーナーに直接確認してみても良いかもしれません。
このように、従業員にとって不安は多くありますが、「倒産とは別物」「リストラを前提としたものではない」「雇用条件が不利益変更されるものではない」などをご理解いだくことで、不安が和らげればと思います。
◎関連リンク→ 株式会社経営承継支援
村橋 秀一
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筆者紹介
経営承継支援
価値をつなぐ、想いをつなげるM&A
中堅・中小企業の円滑な事業承継のためのコンサルティング業務と中堅・中小企業の継続・発展に資するM&A仲介・助言業務が得意。
https://jms-support.jp/村橋 秀一 (会計士)
2006年、立命館大学経済学部在学中に公認会計士試験に合格し、監査法人入社。上場企業・外資系企業を中心とした法定監査に数多く携わる。2011年、東京大学大学院を修了後、監査法人を退職し、大手コンサルティングファームに入社。M&Aアドバイザリー部門にて、上場企業から中堅・中小企業に至る様々なタイプのM&A案件、バリュエーション案件、財務デューディリジェンス案件40件以上に関与。2014年、大手証券会社に入社、課長に就任。日本国外を対象としたM&A案件をはじめ、国内大手インフラ関連企業の再編案件等、多数の大型M&A案件に関与。2017年、当社にパートナーとして参画。 -
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