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物流ニュース
生き残りをかけて減車 早急な景気回復対策を望む運送事業者
2009年9月2日
景気低迷により、運送業界では仕事の確保が困難になっている。これまで景気の好調で車両を大幅に増車した運送事業者も多く、中にはここ数年で、3倍に車両を増車させた運送事業者も存在する。しかし現在、車両は余剰気味で、今後どのように事業を維持していくかが課題となっている。
ここ数年で2倍以上約100台まで増車させた運送事業者は「景気の低迷により大幅に車両が余った状態になっている。このため、昨春以降は増車を行っていない。現在は大阪府内で使用できなくなった車両を売却、さらに減車や賃金の見直しでドライバーも退職したため、昨年と比較して約3割の車両を減車させた。しかし、それでも車両が遊んでいる日が多く、これからも減車していくしかない」と話す。
一方、昨年中に車両を代替えし数台のトラックを増車した運送会社では「当社も輸出入の貨物を専門に輸送していることから大幅な物量の減少に陥っている。新たにリースした車両は処分ができないため、償却が終わった車両やリース料残金の少ない車両を処分して、需要に見合った車両数にしている。それでも仕事は少なく、処分できる車両がない中で懸命に事業を展開し、景気の回復を待つしかない状況にある」と苦しい胸の内を語る。
鋼材ならびに海上コンテナ輸送を行う運送事業者は「やはり大幅に車両を処分している。安い運賃で競合した場合、先行きを考えて無理な取り合いは避けて、減車に努めている状況。現在、当社は運賃に合わない仕事は行わないため、償却のない車両は減車している。ドライバーも良い人材は残して、問題のあるドライバーは賃金を見直して辞めてもらう場合もある。会社も厳しい処置を取らないと生き残れない」と厳しい現状を話す。
昨年春までは、どの運送会社も車両を増車して「人手が足りない」と言っていたが、現在は車両や人材が余る状況。政府の早急な景気回復対策が望まれるところだ。この記事へのコメント
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