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    各社でインフル対策強化、消毒や検温などでリスクに備える

    2009年9月15日

     
     
     

     新型インフルエンザの感染予防と感染拡大防止策が物流企業でも重要になっている。荷主企業からは物流会社、実運送会社への対策要請などもあり、感染防止に対する取り組みが進んでいる。


     運送会社のドライバーが感染した場合に、荷主の物流センターに入ることさえ断られる場合もある。感染防止策の検討はドライバーの健康を守るためであるとともに、運送会社を経営の危機から守る対策でもある。厳しい経営環境の中で、インフルエンザに感染したために車両の出入りを禁じられるなどすれば、中小運送会社にとっては運賃収入が減り経営に打撃を与える。
     ガス配送や食品輸送など生活に直結している運送については、ドライバーの感染によって物流が止まれば、生活必需品の物資が届けられない緊急事態も想定される。ライフラインを守るためにも、まずは運送会社ではドライバーに感染させない防止策が大切だ。
     具体的な企業の取り組みは、マスクや手袋の着用、入退室時には手のアルコール消毒、うがい・手洗いの励行、インフルエンザ関連の情報収集と共有、などがある。
     マスクはすでに注文が殺到しはじめている。8月下旬にマスクの販売斡旋を開始した神奈川県事業協同組合連合会では、すぐに運送事業者から20万枚を超える注文があり、神ト協でもマスクの斡旋を始めている。運送会社がマスクを用意し、配送時には着用することを義務付けている荷主もあり、マスクの確保が事業継続にも影響するからだ。
     食品や飲料を輸送する運送事業者は「感染によって荷主に迷惑をかけてはいけない」として、自社の対策を早くから講じている。点呼時に検温を実施して、発熱しているドライバーはインフルエンザ感染の可能性があるため乗車させないようにしている。事務所入り口にはアルコール消毒液を常備し、出入りするドライバーに手の消毒を徹底している。
     実運送事業者だけでなく、荷主系物流子会社でも協力運送会社にインフルエンザ対策を求めている。食品メーカー系のある物流子会社では、親会社のインフルエンザ対策に準じた対策を講じている。
     事務所出入り時のアルコール消毒は当然として、トラックを交代で使用する可能性も考慮して、社内やハンドルもアルコール消毒をすることを求めている。自社車両だけでなく、協力運送会社にも義務付けではないものの実施するように呼びかけている。
     感染者が出た場合の危機対策と同時に、感染しないための予防策を実践することで、従業員の健康と運送会社の経営を守り、荷主企業を守ることにつながる。

     
     
     
     

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