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物流ニュース
個人商店利用や在庫情報収集 あの手この手で燃料確保
2011年4月22日
東日本大震災の影響によるガソリンなどの燃料不足は東北の被災地だけでなく、首都圏にも影響している。震災の数日後、首都圏のガソリンスタンドには長蛇の列ができ、給油できずに運送事業者は困惑した。
本来は不足するはずのない東京、神奈川、山梨などでもガソリンパニックとも言える状況が起きた。3月後半からは落ち着きを取り戻したが、一時は給油所で2、3時間待ちは当たり前、午前中に在庫売り切れという所も多かった。
神奈川県の事業者は二つの系列の販売店の得意先会員で、燃料不足の間は両方のスタンドの在庫情報を収集して給油した。被災地に送る水や食料など救援物資に関する輸送だったが、この応急措置で燃料がないという事態にはならなかった。
別の事業者は、通常の仕事でも燃料不足でトラックが戻って来られないことを心配した。傭車先からは燃料がないからと突然、仕事を断られた。「傭車を受けておいて、それはない」と言っても、どうにもならなかった。
タンクローリーはスタンドへの供給が優先され、インタンクで給油している事業者はさらに困ったという。燃料が来ないために、普段は使用していないスタンドで給油することになったからだ。乗用車に混じって軽油を入れるトラックが並んだ。
ある事業者はスタンドで、「乗用車と一緒に並ばせないでほしい。トラックは緊急物資などを運ぶので、一般車両の給油を終えた後、夜間にトラックだけ給油するなどできないか」と話したが聞き入れてもらえなかった。
大手販売店が一律の対応をし、セルフスタンドは乗用車が何百mも並ぶ中、小さな個人商店のスタンドの協力を得て給油できた運送事業者もある。そのスタンドは乗用車の給油を断り、トラックを優先。利用した運送事業者は、「普段は利便性の面で大手のスタンドだけを利用していたが、緊急時を考えると会社の近くにある小さなスタンドとの付き合いも大事にしたい」と考えている。この記事へのコメント
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