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    食クラスター連携協議体 物流業界も積極的な参加を

    2011年8月17日

     
     
     

    【北海道】「北海道ならではの食の総合産業」確立のため、産学官金の連携・協同によるオール北海道の体制で、「食クラスター連携協議体」が昨年5月から活動している。北海道の食に関わる付加価値向上と産業振興のため、多数のプロジェクトが推進されており、物流事業者にとって協力や貢献できる分野は大きいものの、現段階で「物流業界からの参画は非常に少ない」という。同協議体の事務局を務める北海道経済連合会の石川貴史部長に、「食クラスター事業と物流の問題」について聞いた。


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     同協議体は、北海道の豊富な農水産資源を活用して付加価値の高い商品を生み出し、国内外に向けて流通・販売することで総合的な食産業の確立を目指す枠組み。道経連、JA北海道中央会、道経済産業局、道農政事務所、道の5機関が事務局を担当し、道内14の総合振興局・振興局にも専任部署を設置。食産業の発展を通じ、地域の雇用・所得・人材を確保し、北海道経済を牽引していくことを目的としている。
     活動スタートから1年あまりが経過した7月6日時点で、1003もの企業・団体が参画、179のプロジェクトが推進されている。参加者はそれぞれ連携し、「食の高付加価値化・食産業の振興」に向けた技術開発、新商品・サービス支援、生産性向上、マーケティング、販路拡大、投資促進などの取り組みを進めている。まさに「オール北海道」の地域活性化の枠組みといえ、「オリジナルキャラクターによる小果実のブランド化」「小規模チーズ工房の販売促進」「サケ節プロジェクト」といった成功事例も出てきている。
     生産者、食品製造業、卸、小売り、商社、研究機関など食に関する様々な業種業態が参画しているが、現段階で物流業界からの参画は極めて少ないのが実態だ。石川氏は「同事業体にこれまで参画し、積極的に意見を出していただいているのは、北海道物流開発(札幌市西区)くらい」と説明する。
     同協議体は、北海道の食産業について研究開発から生産、販売まで「横串」を通して価値創造に取り組む受け皿として、現在最も有効に機能しているが、そこに「物流」がすっぽりと抜けてしまっている。物流業界からの参画が少ない理由について、石川氏は「食クラスターの事業自体を認知していないのか、関心が薄いのか、関係ないと考えているのか、よく分からない」とするものの、「物流を起点として、食に関わる産業の振興・活性化を図る余地は非常に大きい」と断言する。
     石川氏は「昨年11月に物流についての勉強会を開催したが、物流効率を高めることで、生産コストの低減や販売拡大につなげることも可能となるため、参加者の関心が高かった」と述べ、「道内の人口とともに物量も減っていき、このままでは集荷・配送が出来ない地域が出てくるかもしれない。どこかで積載効率の向上や物流コストを下げる仕掛けが必要で、それを物流業界の方と考えていきたい。物流コストは商品価格に転嫁されており、コストが10円でも20円でも下がれば、販売量が増え、物流も増える」とする。
     「プロの視点が必要なので、積極的な提案・参加をお願いしたい。ひいては食品生産・加工拠点の誘致やそれによる物流の増加にもつながり、物流業界のメリットにもなる。北海道の物流の価値を高めることにもなるはずだ」と述べ、協力を要請している。
     同協議体への参画は無料。効果的な提案なら、実現に向けてプロジェクトが推進されることもある。道外の物流企業からの参画も可能。「事業体は最低10年程度継続される見通し」としている。
    ◎関連リンク→ 食クラスター連携協議体

     
     
     
     

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