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物流ニュース
どうなるバイオ燃料 食糧不足が普及にブレーキを
2012年9月3日
現在、アメリカなどの記録的な干ばつの影響で穀物の国際相場が高騰しているが、物流業界にも思わぬ影響を及ぼしそうだ。国際機関が、(地球温暖化対策として)バイオ燃料の利用を義務づけているアメリカやEU(欧州連合)に、政策の見直しを求める声を強めているという。
地球温暖化防止の一翼を担うとされてきた「バイオ燃料」だが、国際食料農業機関では「収穫の減少している穀物がバイオ燃料の生産に使われることで、食料や飼料に使われる穀物がますます減少してしまう」と警告。バイオ燃料使用義務の緩和と凍結を求めている。
日本でのバイオ燃料について環境省では、「バイオエタノール導入を推進するため、各地域でバイオエタノール製造やバイオエタノール混合ガソリンなどの製造・流通・利用に係る事業が展開されている」とした上で、「エコ燃料の原料となるバイオマスの生産や収集を拡大すべきであるが、当面の対象としては、既に収集体制が確立されているが、単純焼却などの処理が行われている剪定枝や刈草など事業系一般廃棄物の原料利用、そして、現状では処理困難物とされている竹や雑草、水草などの未利用バイオマスについても対象として検討すべき。また、2期作による農業副産物などの通年利用についても検討すべき」という段階。
バイオ燃料の導入は物流業界にとって、「環境に貢献している」とイメージアップの効果が期待できるが、今後、「食糧不足を誘引させる」といった負のイメージが出て来ないとも限らない。軽油価格の高騰でバイオ燃料を──と期待されたこともあったが、今回の「食糧不足を危惧する声」で、普及がますます遠のくのではと懸念されている。この記事へのコメント
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