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物流ニュース
お金かけずにやる気を引き出す ヤマト運輸「満足BANK」
2012年11月30日
「バブルの頃なら、社員にお金を渡して会社への忠誠を誓わせることも可能だったが、いまではそうはいかない。社員同士は同じ会社、同じ船に乗っており、助け合う必要がある」。京都府内で行われた中小企業向けのセミナー。講師が「お金をかけずに会社や同僚への愛情を高める方法」として挙げたのは、ヤマト運輸の「満足ポイント制度」だった。
同制度は、「自分が創造した満足に対する(1)仲間からの評価(2)自分で立てた目標に対する自己評価(3)会社(本社・支社・主管支店)からの評価、をポイント化し、満足BANKに貯めていくことで、各自が創造した満足の量や中身を確認できるシステム」のこと。「満足ポイントが貯まると満足クリエイターとして認定され、ポイント数に応じて、ダイヤモンド・金・銀・銅のバッジを贈呈。さらにポイント獲得上位者は式典で表彰される」という。
同講師は「同僚にありがとうと言ったり、言われたりした場合、ポイントをもらうことはできるが、バッジをもらえるだけで給料には反映しない。しかし、現代のような困難な時代だからこそ、助け合うことは必要。社員同士が反目している時代ではない」と指摘する。
ヤマト運輸では、「2011年度に、社内イントラの『満足BANK』サイトをリニューアル。氏名検索機能を向上させるなど、より投票しやすい環境を作り、6万3501人(前年度3万7048人)の満足クリエイターが誕生。満足ポイント制度浸透による褒める文化の醸成は、社員の仕事への意欲を高め、ヤマトファン賞の受賞者増加や荷物事故の減少など、品質面にも良い影響を及ぼしている」としている。
この活動はグループ会社にも広がり、ヤマトシステム開発の「ハッピーポイント制度」、ヤマトホームコンビニエンスの「ありがとうポイント制度」などがスタートしている。講師は「よい人間関係を作れた会社が最強。社員一人ひとりが『オレに手伝えることがないのか』と同僚に聞ける風土や、助け合うことが大切」とし、「お金をかけずに、社員のやる気を引き出す『満足BANK』は素晴らしい」と絶賛する。
◎関連リンク→ ヤマト運輸株式会社この記事へのコメント
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