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ブログ・上西 一美
第83回:車間距離で事故回避を
2022年11月5日
皆さんこんにちは、日本事故防止推進機構(JAPPA)理事長の上西一美です。交通事故の大半の原因は見落としによる「認知のエラー」と言われており、それをなくそうと対策される会社は多いです。しかし、認知のエラーをなくそうとしても、交通事故はなくなりません。
私は過去にタクシー会社の社長をやり、交通事故防止を真剣に取り組んでいたつもりでした。当時は、「運転に集中しろ」「しっかり見なさい」などと指導していたように思います。しかし、こんな指導をしたところで事故がなくなることはないのです。
それはなぜか? 人は運転に集中しているつもりであり、しっかりと見ているつもりだからです。しかも、見落としをゼロにすることなど、所詮、不可能なのです。
皆さんは運転中につい見てしまうものはありますか? 私は、事故現場の横を通り過ぎる時、好きな車が止まっていた時、趣味が釣りなので釣り人がいた時など、自分では集中しているつもりでも、つい見てしまうことがあるかもしれないのです。
脇見をゼロにすることはできるのでしょうか? 私にはその自信はありません。人間はヒューマンエラーをなくす努力はできても、完全にゼロにすることなどできないからです。では諦めてしまっても良いのか? それも違います。
ゼロにできないものを対策するのではなく100%できることを対策として考えれば良いのです。見落としをゼロにできないのであれば、その分、車間距離を空ければ事故の回避率は上がります。「車間距離をつい詰めてしまう」などということはありえず、運転者の意志で100%確保できるからです。
ぜひ皆さんも、見落としをしても、事故にならない運転を心がけてください。私の場合は、それが車間距離です。常に、「見落としをしても追突しない距離」という意識を持って空けています。しかも、これは自分の意志で100%できるからです。
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筆者紹介
上西 一美
一般社団法人日本事故防止推進機構理事長、株式会社ディ・クリエイト代表
自動車事故防止コンサルタントとして豊富な実績。
一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/
株式会社ディ・クリエイト
http://www.de-create.com/ -
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