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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(394)現実を直視する―2
2022年10月6日
次はライバルを見つけることが自店の現実把握にとっては有効である。A店と競合している他店はどこか、その他店と比較するプロセスで強み、弱みが浮き彫りになる。
比較ポイントとしては次の6項目がある。
⑴商品
品質、セールスポイント、接客、品揃え、レイアウトといった項目が商品分析の内容である。
単にハードとしての商品ではなくソフトとしての接客とか店のイメージについてライバル店と比較し、そのことを通して自店の現実を直視する。
例えば接客力についてライバル店は、客の身になりながら、コンサルティングセールスを身につけている社員が自店より多いなどである。
⑵価格
価格帯は適正であるかどうか、価格政策は明確かどうかの分析である。A店の価格政策は顧客のターゲットに合わせて、ライバル店と差別化して成立しているかどうか。
ただ単に「安さ」のみをライバル店に対抗する武器としていないかどうかである。あるいは「安さ」を武器にするのなら、徹底しているであろうか。
⑶物流
家具は配送が重要ポイントである。客からの注文を受けても配達がモタモタして約束の期日に間に合わなかったり、傷がついたりする物損事故がよくあるようでは、店の信用にキズがつく。
⑷販売促進
年に何回かのチラシを毎年繰り返すだけの単調なものになっていないか。ライバル店はどうか。チラシの訴求力はどうか。広告宣伝にユニークさや統一した方針があるか。ダイレクトメールの出し方や内容はどうか。家具を買っていただいた客にはきちんと礼状を出しているか。催事の開催内容と回数は適切か。
⑸研究開発
現状を直視する上で、胸に手を当ててみなければならないのが、継続して明日のために研究開発をしているかどうかである。
研究開発とは新しい商品の研究、リニューアルについての計画などであろう。A社では、仕入先の言いなりになっていないかどうか。自店のオリジナルを開発しようとしているか。こうした分析が必要である。
⑹人的資源
ライバル店と比して人的資源、すなわち社員のやる気や専門性、資質はどうか。あるいは人脈の広がりはどうか。社員の年齢構成はどうなっているか。人的資源を基礎とする社風、企業文化のレベルはどうか。管理者、マネージャーのやる気はどうか。
(つづく)
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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