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物流ニュース
日本郵便と日本航空 海外へ保冷配送「クールEMS」開始へ
2013年2月12日
日本郵便と日本航空は1月29日、共同記者会見を開き、国際スピード郵便(EMS)による小口の保冷配送サービスを協力して「台湾とシンガポール宛に試行的に提供する」と発表した。試行期間は4月1日から来年3月31日までの1年間。国をまたいだ小口の保冷配送サービスは世界に例がないという。
新商品は「クールEMS」。EMSは、日本郵便が世界120以上の国や地域に向け展開。30kgまでの書類や荷物を「安心、簡単、便利に送る国際郵便」がキャッチフレーズ。クールEMSの大きさは、最大で長さ34cm、幅26cm、高さ23cm、重さは15kgまで。料金はEMS基本料金を含み、7000円〜2万4600円で設定している。
試行のため、差し出しは千歳郵便局(北海道)と川崎郵便局(神奈川県)に限定。窓口でなく「集荷」のみの取扱いで、差出予定日の1週間前までに利用の予約が必要となる。引き受けから配達まで72〜80時間程度、一定温度(2〜10℃)に冷蔵できる専用保冷ボックス、保冷剤を利用する。
日本郵便の鍋倉眞一社長は「日本食の普及から日本の食材へのニーズが高まっている。日本国内と違い、低温度のまま海外の個人宅まで配達するネットワークが存在せず、入手方法が困難」と背景を説明。こうした状況の下「日本航空国際線の保冷での航空輸送のノウハウと、EMSのアジア主要都市への翌日、翌々日配達が結び付いた。今後、東アジアから主要都市まで拡大させたい」と抱負を述べた。
日本航空の植木義晴社長は「両者の強みである商品をコラボレートさせた。医薬品輸送などのため高性能な温度管理ができる保冷ボックス、保冷剤を2年前に開発した。簡単でスピーディ、発送人から受取人まで一貫したサービスが可能な新商品は顧客の多用なニーズに応え、新しい商流を創るものと期待している」と述べた。
今後、試行状況を見ながら香港、上海、韓国その他アジア地域への拡大や、冷凍品も含めた配送サービスの拡充を図るほか「地方の中小事業者の海外販路開拓も支援していく」としている。
◎関連リンク→ 日本郵便株式会社
◎関連リンク→ 日本航空株式会社この記事へのコメント
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