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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(400)全社員の気持ちを一つにする―2
2022年11月17日
革命から第二次世界大戦までソ連では、イデオロギーこそ人々を労働に向かわせる強力な力だった。大戦後、イデオロギーだけでは十分でなくなり、ボーナス制度のような新たな報奨が必要になった。しかし、これが反って、ソ連での労働の効率を落とす結果をもたらした。
同じことは米国でも起こった。米企業の経営者は生産性が落ちた70年代に金銭による奨励策を多用した。しかし、一旦200ドルのボーナスをもらった労働者が、次の年に100ドルしかもらえないと何らかの制裁を受けたと感じる。経営者はボーナスを下げられない。しかし、恒常化した結果ボーナスの生産性向上効果はどんどん落ちた。
仕事が楽しければ、人生は喜びとなり、仕事が義務ならば人生は奴隷生活のようなものだ。
すなわち、個々人が技術の向上や責任範囲の拡大など目標をはっきり掴み達成感や向上感を得られる社内経営管理システムがやる気を起こさせる源泉ということだ。
そのためにこそ繰り返し繰り返し主張するが、中期経営計画の存在は必須である。
中期経営計画の核心はビジョンにある。ビジョンを共有し、それの達成、実現へ向けて心を合わせ力を合わせていく。このことに人生の生きがいがあるのだ。
デビット・オグルビーというアメリカの広告王は「オグルビー広告について語る」という本の中で次のように述べている。
「仕事が面白くて仕方がない、という雰囲気を作りなさい。仕事が面白くなければ良い広告は作れません。活気に溢れた職場を作りなさい。陰うつなムードを漂わせるネクラ人間には、ご遠慮願いましょう。広告代理店の経営者として成功している人の共通点は何でしょうか。私の見た限りではみんな熱血漢だということです」
何も広告代理店の経営者に当てはまるだけではない。仕事の面白味を如何にして作り出し、一人ひとり味合わせていくかが、一人ひとりの意欲を増すには不可欠の問題である。
(つづく)
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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