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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(402)コミュニケーションの大切さ―1
2022年12月1日
報連相とは、報告・連絡・相談の略語である。コミュニケーションの本質を示している。企業にとっては、心を通い合わせ、経営目標を共有化していくために不可欠のものである。いわば生命線である。
企業を取り巻く環境は変化する。それに対して的確に対応することが、活性化であり、そのためには組織環境の見直しが必要である。
組織環境とは、社内制度や仕事の組み合わせ、配分のことである。この環境を働きやすいように改善、改革していくためにコミュニケーションの円滑が必要となる。
風通しを良くすることは、意識的に取り組まねばならない。「わしの会社は大丈夫、しっかりコミュニケーションをしているよ」と自信を持っている社長は多い。しかし、例えばコミュニケーションの1つである会議の内容や進め方は充実しているであろうか。
A社の会議の進め方について述べてみよう。今月は運送部門で、対前年比で10%ダウンしている。危機感を持った社長は、朝出勤してくる配車担当者に向かって、「今日、会議する。夕方にやるぞ」と通知した。
A社は車両20台の中小運送会社である。夕方が来ても、社長は来客の応対などでなかなか手が離せない。ようやく夜8時頃にひと段落したので、会議が始まった。約2時間、社長の独演会であった。
これでは、コミュニケーションを大切にしているとは言い難い。社長の一方通行である。
まず、会議は定例化することである。そして、性格をはっきりさせて参加者にテーマを周知させねばならない。時間は厳守して記録を取り、全員が発言して対策を立案し、実行状況をチェックするものであらねばならない。
先の例で示したA社のように思いつきで、社長の一人相撲であってはならない。
会議と並んで重要なのは、1対1の面談である。面談において、仕事の進行レベルをチェックし、一人ひとりの目標に対しての達成状況を確認し、実行方法を協議することが、大切となる。
この面談も定例化する必要がある。A社の様に車両20台ぐらいの規模では、実績検討会議を月2回、各2時間、面談を月1回、一人当たり30分と言ったところが標準であろう。
会議、面談を実施するにあたって、物差しが必要で、それが経営目標ということである。
「目標無くしてコミュニケーション無し」ということである。
トップや上司にあっては、よく聞くという態度が基本である。したがって、的確な問いを発することで部下の心を開かせ、心を一つにしていくコミュニケーション技術を磨いていかねばならない。 (つづく)
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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