-
ブログ・小山 雅敬
第242回:若年求職者の応募を増やすキーワード
2022年12月9日
【質問】弊社の従業員は大半が50歳代後半から60歳代の高齢者であり、会社の将来が大変不安です。若年層を採用したいので、求人票やホームページに載せる効果的なキーワードがあれば教えてください。
関与先の運送会社に応募してきた若年ドライバーの応募動機や若年者の人材確保に成功している運送会社の実情を見ると、最近、運送会社に応募してくる若年求職者には応募動機に二極化の傾向が見られます。
口コミ経由の「労働条件重視型」と未経験者の「人間関係重視型」です。近頃、インターネット経由の採用が中心ですが、若年層ではネット以上に「口コミ」で応募してくるドライバーが多くなりました。
その応募動機を確認すると、「この会社で働いている友人からの情報は信じられた」「給与や休日など労働条件が良いところで働きたい」「実態がわからない会社に入社して後悔したくなかった」との声が聞かれます。
一方で、口コミ以外のインターネットや求人広告などから応募してくる未経験者は、「前の会社で苦労したので、転職先には人間関係で苦労しない仕事を選びたかった」「車の運転はもともと好きなので、ドライバーの仕事に興味を持った」と応募動機を語る社員が多くなっています。
「口コミ」入社を増やすためには、「社員紹介制度」や「求人活動協力報奨金制度」などの方策がありますが、ここでは未経験の若年求職者に向けて応募を勧誘する際のキーワードを実例でご紹介します。
ある運送会社では、最近、営業職や医療・福祉・教育関係の職種から同社に転職してくる人が増えており、その応募動機から「人間関係のストレス」が転職の主たる要因と考え、ドライバーが一人でできる仕事でノルマもないという点を求人票やホームページで強調するようにしました。
「一人でできる仕事です」「人間関係のストレスがありません」「仕事が終われば和気あいあい」「仕事は丁寧に教えますので、すぐに慣れることができます」などの文言で、ドライバーの魅力を伝えています。煩わしい人間関係の苦労が無く、ノルマに苦しむことも無い。
ただし、安全と正確な業務遂行は徹底。これが若年転職者へのアピールになるのです。しかし、そのように記載する以上、職場環境や労働条件の整備が必要ですので留意してください。
例えば、パワハラの根絶、研修の充実化、休日の設定(年間105日以上)、年休の取りやすさ(計画年休、子どもの行事など)、育児休暇の取りやすさ(男性)、他社比同水準以上の賃金などは最低必要条件になります。
(コヤマ経営代表 小山雅敬/中小企業診断士・日本物流学会会員)
関連記事
-
-
-
-
筆者紹介
小山 雅敬
コヤマ経営
昭和53年大阪大学経済学部卒業
都市銀行入行。事業調査部、中小企業事業団派遣、シンクタンク業務に従事。
平成4年三井住友海上入社。中堅中小企業を中心に経営アドバイス、セミナー等を多数実施。
中小企業診断士、証券アナリスト、日本物流学会正会員 等資格保有。 -
「ブログ・小山 雅敬」の 月別記事一覧
-
「ブログ・小山 雅敬」の新着記事
-
物流メルマガ