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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(405)一人ひとりが目標を持つこと―1
2022年12月29日
目標の大切さについて
中学生の40人ずつのクラス、2クラスである実験を行ったケースを紹介したい。ある実験とは、壁を使って一人ひとりがジャンプしてどこまで跳べるかという実験である。壁に跳んだ位置を印していくやり方である。
初めは自由に跳んでもらった。次にはAクラスにはもっと高く跳ぶようにと、水準を白墨で印をつけて示した。
Bクラスには、ただ「もっと高く跳ぶように」とのみ指示した。
結果はどうであったか。Aクラスの方がBクラスと比して遥かに成績が良かった。このケースで示唆しているのは目標の大切さである。
A社は従業員15人、年商約4億円の家具小売店である。
大都市の家具店密集地に立地している。創業以来10年で着実に年率25%、(ここ3〜4年)売り上げを伸ばしている。
このA社の経営の特徴はどこにあるか、それは一言でいえば働いている一人ひとりが具体的に目標を持っていることである。
先程の例のAクラス方式をとっていることである。
毎年1月の方針発表会に向けて一人ひとりが自己の目標を申告する。内容は大きく言って仕事上の目標と家庭上の目標に分かれる。
仕事上の目標は、数字とそれを達成するための行動目標から成り立っている。
A君(29歳)の目標書は次の如くである。
1.売上目標 年間3000万
2.荒利目標 年間1000万 粗利益率33・3%
3.行動目標
⑴朝は定時より30分早く出社して、その日の行動計画を立てる。
⑵新規の固定客を年間20人獲得する。
⑶商品知識や、販売知識の向上のため、販売士2級を取得する。
⑷社長への報告を確実に行うため、販売日報の作成と週1回は社長を捉まえて、必ず面談、相談すること。
⑸接客マニュアルを上半期中に作成する。
⑹海外の展示会へ参加すること。
⑺顧客リストを作成して、年間4回以上のイベントを企画する。
4.家庭上の目標
⑴今年中に結婚する。
⑵貯金1000万を達成する。
⑶母親と月に1回は共に食事をする。
この目標書を社長に提出する。年末までに全員15人分を集めて、社長は毎年、元旦に神棚に供えて、目標達成を祈願する。
そして一人ひとりの目標書を丹念に読んで社長からの手紙としてコメントを元旦に送付する。こうして初出を迎えて、全員で近くの神社にお参りする。
こうしたパターンを創業期の妻との2人から、今日の15人まで継続している。 (つづく)
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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