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物流ニュース
それぞれの社会貢献 清掃活動から人力車まで
2013年5月28日
社会的な地位向上が課題とされるトラック運送業界だけに、物流業務以外でも社会貢献活動にも取り組んでいるところをアピールしていきたいところ。周辺地域を清掃活動する運送事業者も多いが、そのほかに、どのような社会貢献活動があるのか調べてみた。
「町おこしに貢献したい」として、地元の観光地である長野県須坂市で人力車を使った観光案内をスタートさせたのが、運送・倉庫事業を手がけるアクセル(輿石通雄会長)。輿石会長は「ずっと以前から構想はあった。浅草・雷門や県内の松本などの観光地には人力車は欠かせない。高齢者の観光の場合、足が悪く満足に観光できないことも多い。そういう人に安価で利用してもらおうと考えた」という。人力車をひくのに「手を挙げたドライバーは3人。1台でスタートさせたが、今後、最低でも10台にしていきたい」という。
物流関係の不動産を手がけるJPD清水(京都府長岡京市)の清水三雄社長が福知山市三和町を活性化しようと立ち上げたのが、「みわ・ダッシュ村」。「耕作放棄農地を復元し、完全無農薬・無化学肥料・有機栽培による農業をしている。地域に仕事が生まれ、雇用や地域外からの移住が起こる。また、農場で様々なイベントや企画を行うことで地域外の人が地域を訪れる。これらの事業を三和町で展開し、ゆくゆくは当社の事業をモデルとし全国に広めていくことをめざしている」としている。
地域の防犯活動に取り組んでいるのは、ハートランス(岐阜市)。岐阜県の「安全・安心フレンドリー企業」にも登録しており、「県内地域を定期配送する25台の車両に『防犯パトロール中』というステッカーを張り、ドライバーには不審事案を発見した場合の緊急連絡と発生状況の記録を実施するよう教育している」という。活動のきっかけは「県内への配送車両が数十台あり、それらの車両を使用して防犯活動に役立てられないかを考えたこと」。車内には関係機関の緊急連絡先が掲示されており、迅速に連絡が取れるようにしてある。
盲導犬育成事業を支援しているのは日本石油輸送(東京都品川区)で、「数ある社会貢献の方法の中で一過性のものではなく、社会的ニーズが大きく、そして輸送に携わる会社として、何らかの形で交通に関連するという観点から考えた」と説明する。
「盲導犬協会およびアイメイト協会への支援を行っている。これは『道路はみんなのもの』という意味で、一人でも多くの視覚障がい者に盲導犬を伴って道路を歩いていただきたいとの願いが込められている」と話す。
前出のアクセルの輿石会長は「損得抜きの事業でやっている。おばあちゃんとお孫さんを乗せた際、人力車からの眺めの良さに、おばあちゃんが『いい冥土の土産になった』と喜んでくれた。それを聞いたお孫さんが泣きながら『そんなこと言わないで』と返したことがあった。それを聞いて、本当に始めてよかったと思った」という。この記事へのコメント
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