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物流ニュース
北海道ドライバー採用事情 募集時の給与を調査
2014年2月7日
北海道内では「仕事の引き合いはあるが、ドライバーが確保できない」と頭を悩ませ、採用に苦労している運送事業者が多い。しかし、求職者から見て「応募したい会社なのか」ということも振り返ってみる必要があるかもしれない。
応募に際して大きな指標となるのは勤務地や労働時間、働きがい、企業の評判などもあるが、一番のポイントは給与の額だ。ドライバーを切実に求めている北海道のトラック業界は、果たして魅力ある給与を求職者に提示できているのだろうか。ドライバーの給与を求人情報から調べてみた。
日本最大級のトラックドライバー専用求人サイト「ブルル」から、12月15日時点での北海道のトラックドライバー募集案件133件を調べた。「基本給」と「定額的に支払われる手当」を足して提示している給与額を集計した。
軽貨物ドライバーの募集は2件で、給与の平均は約14.5万円となった。単純に12倍すると年間の給与は178万円。最低額は14.3万円で、最高額が14.8万円だった。
2〜4トン車の募集は65件で平均は17万4000円。年間で209万円。16万〜19万円程度の提示が圧倒的に多く、20万円を超えていたのは全体の12%あまり。なお、最低額は8.8万円で、最高額は27万円。
大型車の募集は52件で平均は約20万円、年間240万円。20万円超えは56%。最低額は13.3万円、最高額は30万円。20万円前後の提示が目立った。
トレーラは11件で平均20.3万円。年間244万円。20万円超えは55%で、給与水準は大型車とほぼ同じ。最低額は12.4万円で、最高額は30万円。
ダンプは3件で平均17.2万円となり、2〜4トン車を下回る水準。年間206万円。最低額は13.7万円、最高額は20万円。
これら給与や手当の額は、雇用形態や勤務時間などによってバラツキがあるほか、賞与やその他の手当が支給されることもあり、「プラス数万円」を実質的に見込めるケースが多いようだ。また、働きぶりによっては、30万円を超えるような提示額の上限に近い支給を受ける可能性もある。
しかし、求職者にとって「2〜4トン車の9割近く、大型車の4割以上が支給額20万円に届かない」「当面は年間200万円あまりの給与水準」と映っていることは確かだ。中には「最低賃金を割っているのでは」といった求人もあり、これでは「手取り額は十数万円か」「キャリアアップは見込めるだろうか」などと考えて、他業種へと流れてしまう求職者も多いはずだ。人材確保のためには、「安心して働いてもらえる給与」を多くの運送会社が提示する必要があるだろう。
なお、昨年10月に北洋銀行が発表した「雇用と賃金の現状について」のレポートによると、道内の運輸業の52%が「従業員が不足」し、49%が「増員したい」と捉えており、ともに建設業に継ぐ高い割合となっている。
ただ、定期給与(基本給・諸手当など)の動向では、「引き上げ・引き上げを予定」していると答えた運輸業者は36%に留まり、ホテル・旅館に次ぐ低さ。他の業種は55〜65%の割合で「引き上げ・引き上げを予定」と回答しているため、相対的に「給与が上がらない業界」と見られている可能性が高い。
◎関連リンク→ トラックドライバー求人サイト「ブルル」この記事へのコメント
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