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運送会社
県南運輸 念願の大型トラック導入
2024年2月29日
【栃木】県南運輸(相田昌之社長、栃木市)はこのほど、念願だった大型トラックを1台納車した。軽貨物車両による個人運送「赤帽」から始まった同社は、赤帽への偏見を乗り越え、今年で創業45年を迎える。
同社は、相田社長の父が1979年に創業。当時小学生だった相田社長は、家業が赤帽であることを理由に同級生からいじめを受けたという。中学校に上がってもいじめは続き、「高校に入る頃には運送屋の息子というのがコンプレックスになっていた」と話す。
専門学校を卒業後は自動車メーカーに入社。エンジン開発に携わった。「ものづくりの仕事が本当に楽しかった」と話す相田社長だが、母親の説得に押され、22歳で実家に戻った。
相田社長に最初に任された仕事は軽貨物車のドライバー。絵画など美術品の輸送を引き受け、美術家の個人宅を回った。仕事で不手際があると、赤帽をさげすむような言葉を顧客から浴びたという。
初めは嫌々仕事をしていたという相田社長だが、日を重ねるごとに、仕事ぶりを評価してくれる顧客も増えていった。「家の外まで出て見送ってくれたり、ねぎらいの言葉をかけてもらえたりして、仕事にやりがいを感じるようになった」と話す。
10年前に専務に就任してからは、経営改善に関するセミナーにも積極的に足を運んだ。「今後の経営を考えると、軽貨物以外に力を入れる必要があると感じた。その頃には一般貨物も手掛けていたが、父は赤帽中心で考えていたので、まだ自分の考えを形にすることができなかった」と明かす。
2017年に社長就任後は、自身がかつて断念したものづくりを支えたいという思いで自動車部品輸送にシフトした。倒産の恐怖と戦いながらも4トン車を少しずつ増台。23年11月には大型トラックを導入した。

「赤帽、小さい車とずっとばかにされてきたので、社名がついた大型を走らせるのが夢だった」と相田社長。「今後は社員が働きやすい環境を整えるとともに、赤帽への偏見をもっとなくしていけたら」と意気込んでいる。
◎関連リンク→ 県南運輸株式会社
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