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    実運送の管理現場 各社各様「独自のルール作り」とは

    2014年8月12日

     
     
     

     乗務前の呼気チェックで万一、アルコールの数値がゼロでなければ即刻クビ…そんな話も珍しいことではなくなった昨今のトラック・ドライバー事情。プライバシーの問題が微妙に絡む持病についても、管理者として運送会社には慎重な対応が求められているが、そうした現状を踏まえて現在、実運送の管理現場では各社各様のルール作りに努める姿が見られる。
     資材関係などを運搬する大型車両がメーンの広島市の運送会社。荷下ろし先の周辺で現場待機することも少なくないが、「原則としてコンビニエンスストアでの休憩は禁止している」と社長。同社では数年前、コンビニで仮眠していたドライバーが乗用車と接触事故を起こしたり、店舗前でたむろしていた数人の若者とトラブルになるケースが続いた。


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     「どこでも事故は起きるが、子どもから高齢者まで、また歩行者からトレーラまでが入り乱れるコンビニは危険極まりない」という思いで作った社内ルール。「実際に止めていないかどうかは完全に把握できないが、私や同僚のドライバーらが見掛けた場合はペナルティーを設けている」と事故リスクを減らすには仕方ないと割り切っているものの、心中は複雑なようだ。
     食品や工業原材などを運ぶ岡山市の運送会社もコンビニ利用については「酒が買えて、その場で休憩・仮眠できる環境ということを踏まえれば禁止したいが、そこまで締め付けなくても…と思う」と取締役。同社にも厳しい規則はあるが、ドライバーにとって魅力を感じられる独自のルールもある様子。
     その一つがETC。車載器もカードも「ドライバー持ち」というスタイルで、管理者が指示した区間の通行料金は会社が支払う形。コーポレートカードに比べて割引率は不利になるが、「高速代は運賃とは別に、きっちり荷主からもらっている。指定した区間以外でも事故や渋滞で仕方なく高速を使う場合、証明を出せば通行料金を支払う。マイレージ分やクレジットカードのポイントはドライバーのものだし、たまったポイントを数倍に増やす裏テクもあるようで好評だ」と笑う。
     一方、広島市の運送会社は数年前から、マイカー通勤に関する取り決めを徹底している。管理部門の幹部社員によれば「車検証と、会社までの大まかな通勤経路図を提出するのが条件。任意保険も証券のコピーを提出させているが、最近は未加入のケースも見られるようになっており、そうした場合は会社が仲介して加入させている」という。
     会社の要求に応じないときは「マイカーで通勤するのは本人の自由だが、会社の敷地内には一切の乗り入れを禁止している」とのことで、それでもクルマで通勤したければ周辺の民間ガレージを借りるしかないというルール。さらに同社では「危険を避けるため」という理由で、原付きバイクでの通勤は認めていないという。
     厳しい規則ばかりではなく、従業員へ利益を還元するような取り決めもある。「奥さんや、両親の誕生日に会社からプレゼントを届けるようにしている」という雑貨輸送の運送会社(兵庫県姫路市)や、「ドライバーが出先で仕事を獲得してきた場合、最初の入金があった月に運賃収入の3%を給料にプラスして支払う」(大型トラックで長距離輸送がメーンの岡山市の運送会社)という例もあった。
     一方、トラック業界では現在も少なくない給料の前借りについて「一切認めていない」と話すのは、特殊車両を多く抱える同市の運送会社。過去の苦い経験から、「そうしたタイプの人間は、いずれ闇金とトラブルを起こす可能性が高い」と理由を説明する。

     
     
     
     

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