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ブログ・上西 一美
第145回:雨の日のスリップ事故、止んでからも注意
2025年7月20日
日本事故防止推進機構(JAPPA)の上西です。毎年、この時期に気をつけていただきたい事故は、やはりスリップによる事故です。当然、この時期は雨天時が多く、そのリスクは上がります。まず、覚えておいていただきたいのは、雨の降り始めのリスクです。これは、路上にあるホコリやチリが雨により浮いてくるため、オイル状になり、スリップしやすくなるからです。
しかしながら、交通事故の発生リスクが、その降り始めに多いとは限りません。その理由は、運転者の心理状態です。運転者は、雨が降り始めるとワイパーも動かし、心理的に怖いという意識が強くなり、慎重な運転を心がけていきます。よって、雨の降り始めは、リスクは高いのですが、事故の発生率は、それと比例しない場合が多いのです。
それに比べて、雨が止んだ直後はどうでしょうか? フロントガラスに雨が当たらなくなり、ワイパーも動かさなくなります。そこで、運転者の心理上、もう大丈夫だろうという思いが強くなり、速度を戻していくのですが、ここで重要なのが路面の状態です。路面は雨天時と全く変わらない状態ですので、スリップしやすい状態なのです。
よって、降り始めは当然ですが、止んだ直後は、特に速度を抑えることを継続し、スリップ事故に備える必要があります。雨が止んでも緊張感を継続し、速度を抑えるよう点呼などで呼び掛けて下さい。
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筆者紹介
上西 一美
一般社団法人日本事故防止推進機構理事長、株式会社ディ・クリエイト代表
自動車事故防止コンサルタントとして豊富な実績。
一般社団法人日本事故防止推進機構
http://www.jappa.or.jp/
株式会社ディ・クリエイト
http://www.de-create.com/ -
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