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運送会社
高橋電設運送 設立60周年インタビュー、3代目が描く次世代のビジョン
2025年10月24日
【千葉】「荷主、社員、会社の三方良しを目指して皆で幸せになりたい」。そう語るのは、建材・材木配送を手掛ける高橋電設運送(習志野市)の髙橋佑介社長。今年、設立60周年を迎えた同社。3代目社長にこれまでの歩みを振り返ってもらうとともに、今後の展望を聞いた。
「幼少期から家業を継いでほしいという話をされたことはなかったし、元々継ぐつもりもなかった」と話す髙橋社長は、社長に就任して5年目。「間近で見ていたからこそ、運送業にはむしろネガティブなイメージを抱いていた」という。
そのため大学卒業後はまったく異なる道を選び、ワタミフードサービスに入社、店長として経営の基礎を学んだ。「当時は自分に合わない仕事だったが、今振り返るとすごく学びがあった。苦難を乗り越えて自信になった」と振り返る。
ワタミで5年間働いた後、仲間と都内に飲食店を開業したものの1年で離れることになったという。先のことを考える余裕もなく辞めてしまったが、妻子を支えるため家業に入る決意をして入社。入社当初から、ドライバー経験がほとんどない髙橋社長が特に徹底していたのは、社員とのコミュニケーション。「現場とはどういうものなのか、しっかり把握することが大事。そうしないと、こいつに言ってもしょうがないと、情報も上がってこなくなる」と語る。

また思い返されたのは、先代から事業を継ぎ苦労していた父の姿だった。「父は元々教師で、経営の知識もなく相談できる人もいなかった。相当苦労していたと思う」と述懐する。
数字を見て「これはまずい」と感じた髙橋社長は、「私にも家族がいて、社員にも家族がいる。このままでは危ない」と考え、父に「代わってほしい、私にやらせてください」と申し出た。父はこれを受け入れ、予定より早く社長に就任した。
ワタミでの店長経験を経て、経営の土台を持っていた髙橋社長。常務時代から、「自分ならこうしたいと思うことを事前に書き留め、社長になったら一気に実行しようと思っていた」といい、就業規則や給与体系の見直しなど、社内改革を進めていった。
今年42歳の髙橋社長は、「55歳位で社長を降りようと思っている」と語る。その背景には、「若手に夢を与えられる会社にしたい。社長でしか見えない景色を、次世代に教えたい」との思いからだ。また、自身がそうであったように、息子に事業継承の話をしていない。「何より大事なのは本人の意欲。そのうえで能力を備えた人に任せたい」と語る。
事業面では、運送業以外の分野への挑戦も視野に入れる。「運送業は環境負荷が大きい。環境負荷を低減するビジネスはコストが高いが、利益を生むことができれば積極的に進めたい」と意欲を示す。
髙橋社長は、「共に発展し共に勝つ」という理念を経営の軸としている。「〝自分さえよければいい〟ではなく、経営の判断基準は常に三方良し」と強調する。入社当時十数人だった従業員は約70人に増え、保有車両も現在50台に拡大。2030年までに100台体制を目指し、三方良しの理念とともにさらなる成長を見据えている。
◎関連リンク→ 高橋電設運送株式会社
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