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物流ニュース
全ト協 馬渡雅敏副会長「適正原価の方が良い指標に」
2026年2月16日New!!
新法の「適正原価」は一般的に下限運賃制度だと捉えている事業者は少なくない。だが、公式の会見で国交省の石原大物流・自動車局長が「下限として縛るものではない」ということを述べた。トラック運賃向上に関して、取引当事者に緊張感が生じるような法律を作ったはずなのに、これまでと変わらないのではないかとの懸念がある。そうした状況に対して、業界団体としてどのように考えているのか。全ト協副会長の馬渡雅敏氏に話を聞いた。

―新法の「適正原価」は下限運賃制度ではないということを石原局長が公式の会見で述べた。
下限運賃だと言い切ってしまうことはできないので、石原局長が話していることは正しいのだと思う。だが、仮に下限運賃にならなかったとしても、項目次第では適正原価の方が良い指標になるのではないか。基礎給の部分はしっかりと適正原価で示されるはずなので、それが公示されるのは望ましいことだと考える。
―新法の適正原価では、どの部分がこれまでとは違うのか。
我々の原価は、人件費と燃料費、車両費の3つしかない。この3つの適切な原価が公示されるのであれば、これが基準となって、荷主に対して泣き寝入りするようなことはなくなると思っている。荷主に対して今までは「これが正しいのだ」と誰も言わなかったが、これから原価として公示されるので「これが正しい」と言うことができる。ただ、原価の項目についてはまだはっきり打ち出されていないので、皆さんの意見を集約したうえで「この原価はこういう風に公示してほしい」とお願いしていきたい。
―具体的にどのようなことをお願いする考えか。
国交省には、燃料のことも車両費のことも合理的に決めてほしいとお願いする。それも何年もかかって反映されるような話ではなく、燃料費にいたっては毎月変わるので、毎月公示してほしいといった要望は出したいと考えている。
車両費、人件費、燃料費が公示されれば、ある程度の基準が見えるようになる。1月1日からは取適法により、継続的に原価を割ったら駄目ということになる。これまでよりは根拠法令が増えたので、公取委やトラック・物流Gメンも対処しやすくなる。
―これまでと違って良い結果が得られるとしても、適切な原価が公示されるまで待てないという企業が増えている。
待てないという方がたくさんいて、ぎりぎりのところでやっているという方が多いのも十分に承知しているが、声を挙げても早くならないのが現状で、運輸審議会に委ねるしかない。とりあえず原価が決まらなくてもやれることはあるので、まずは荷主に言うか、直接言えないのであればGメンに言ってほしい。
―Gメンに相談している事業者からは「Gメンから返事もなく、対応してくれているのかどうかも分からない」という声は少なくない。
確かに1社だけだとなかなか言うことを聞いてくれないので、できれば仲間を作ってGメンを動かしてほしい。佐賀県のような小さい県でも運送会社は500社ある。各社がそれぞれにそれぞれの荷主のことを言ってもGメンは対応しきれないようだ。Gメンを動かすだけでなく、仲間を増やすことでお客を運送事業者側から選別できる体制をつくらなければこれから先、生き残るのは難しくなる。
運送の3つの原価はしっかりと公示してほしいと望んでいるが、ただ状況が変わるのを待っていても何も起きない。自ら行動を起こしてお客さんから跳ね返されても、Gメンに相談するなど行動を起こしてさえいれば、法律が追い付いてくるはず。今はまだ原価の項目が何も決まっていないので、そう思って行動するしかない。
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