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物流ニュース
オリックスレンテック東京技術センター 限られた倉庫を有効活用
2017年6月1日
計測器やパソコン、医療機器などの精密機器のレンタルをメーンに取り扱っているオリックス・レンテック(東京都品川区)。同社の心臓部である東京技術センター(同町田市)は、倉庫としてだけでなく、様々な役割を担っている。1976年の会社設立以来、40年以上の長きにわたり、多彩なアイテムをラインアップし、レンタル事業を提供し続ける同社のセンターに迫る。
JRと私鉄が乗り入れる町田駅から車で10分ほど、国道16号や同246号にもアクセス良好。閑静な住宅街にある同センターは、敷地面積1万4173平方m、延べ床面積2万7566平方m、機器保管能力は約9万3000台を誇る。ここでは、出荷を待つ機器の点検や、レンタル先から返送された機器にメンテナンスが施され、保管されている。
「厳格な品質管理で、顧客の高度なニーズにお応えしている」と話すのは、技術本部長の松野城太郎氏。同センターで主に取り扱っている製品は、測定器とパソコンなどのIT機器。「近年は、タブレットやスマートフォンなど、小型で比較的安価な機器の需要が増えている」とし、「パソコンや大型機器に加え、全方向的に展開している」と語る。
同センターでは現在、社員、パート社員、協力会社の社員が3分の1ずつ計約500人働いている。「社員はメーカー出身などの中途採用が大半。パートは業界未経験からの入社も少なくないが、優秀な社員が多い」と笑顔をこぼす。
同センターには、「他社が見学に来るほど」と同氏が胸を張る「自動倉庫システム」が2台稼働している。「他社では、ロット管理されていることが多いが、当社では『資産番号』を用いて、一つひとつ徹底的に管理している。『出荷前の点検中』や『メンテナンス中』『修理中』といった現在の状態や履歴を機器ごとに細かく知ることができる」という。
同社は、品質マネジメントシステムの「ISO9001」認証を取得し、トレーサビリティを確立。「自動倉庫と受注システムは連動しており、複数のパソコンと周辺機器なども一括で管理できる。これにより、主要都市への翌日配送を可能にしている」と同氏は微笑む。
同社が誇るのは、「レンタル資産を効率的に運用し、倉庫が満杯にならないノウハウ」という同氏。「1日の入出庫は約2000から3000個。アウトプットの方が多い」とし、「返却サイクルの設定や、様々な売却チャネルを用意することで、限られた倉庫スペースで、約160万台の資産を有効活用できる」と語る。
パソコンなどのIT機器は、2年間のレンタル期間後、売却される。「メーカーの1年保証を利用することもあるが、8割ほどは、メーカーのライセンスを持った自社スタッフが修理する」という。短期間で安く早く修理できることで、より効率的なレンタル運用を可能にしている。
また、貸し出し時には、キッティング・クローニングサービスもあり、「必要なソフトウェアのインストールなど会社ごとにカスタマイズできる」とし、「たとえ誤って初期化してしまっても、貸し出し開始時の状態になるため、面倒な初期設定の必要がない。大量レンタルでも安心して利用いただける」と自信を見せる。
測定器は、レンタル返却後、正しく動作するかを確認する「校正」作業を行い、必要があれば修理し、再度校正というフロー。校正室は、温度と湿度も厳しく管理されており、温度23度プラスマイナス5度、湿度55%プラスマイナス20%を保っている。
校正作業にあたるスタッフは、技能到達レベルをIDカードに記載されたQRコードで管理。研修中の「レベル0」から、他者の判定ができる「レベル3」まで、分野ごとに記憶されている。「校正したい機器とスタッフのQRコードをそれぞれ読み込むことで、必要な作業に対してスタッフの技能レベルが適正か、自動的に判断する」。レンタル用の測定器だけでなく、顧客が持つ測定器の校正サービスも行っている。
多数の運送会社に配送を依頼しているという同社は、半年に一度、配送時における品質監査を行っている。「荷物が雑に扱われていないかを確認するため、ある場所に配送を依頼し、それを戻している」と明かす。「精密機器の運送クオリティは、そのままレンタルの品質に直結している」と運送の重要さを語る松野氏は、「そのクオリティを一緒に高めてくれる運送事業者とともに、さらなる成長をしていきたい」と未来を見据えていた。
◎関連リンク→ オリックス・レンテック株式会社この記事へのコメント
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