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物流ニュース
セルート 荷主とドライバー直接つなぐ「DIAq」
2017年7月21日
バイク便大手のセルート(東京都新宿区)は、荷主とドライバーを直接つなぐプラットフォームアプリ「DIAq(ダイヤク)」を開発。営業ナンバーを持つ運送事業者だけでなく、時間が空いている学生や主婦も運送者として活用するという、いわゆる「物流版ウーバー」だ。
8月のリリースを目指している同アプリは、ユーザー(荷主)が配送先や内容を入力すると、集荷先付近にいる運送者に希望条件に合わせて直接オファーできるというもの。デリバリュー東日本営業本部の松崎晋也本部長(写真左)は、「いますぐ荷物を届けたい人と、近くにいる運送者を直接つなぐことが当アプリの革新的なところ」と説明する。
同アプリで配送を担う対象には、「緑ナンバーの運送事業者や軽貨物ドライバーだけでなく、徒歩や自転車、原付きで荷物を運べる学生や主婦など、一般の方も含まれる」
運賃は運送者側が自由に設定。「アプリでは、登録している運送者が提示する運賃や荷物を取りにくるまでの時間などが一覧で比較でき、荷主は簡単に依頼が可能」と胸を張る。
「例えば、品川のオフィスから新宿へ向かうビジネスマンが目的地周辺のビルへ書類を届けたり、東京から大阪まで旅行で新幹線を利用する学生が、『ついでに』という感覚で荷物を運んだりすることができる」と様々な活用シーンを想定。同氏は、「慢性的なドライバー不足打開には、新しいリソースの開拓が鍵となる」とし、「物流以外の一般の交通、すなわち人の移動に荷物を付けようという発想」と説明する。
貨物保険は同社が加入しており、「万一、事故が起こった場合でも、補償があるので安心して利用いただける」
運送者は行き先や料金、時間帯などで受ける仕事を選ぶことができる。受注から配送状況の連絡、受領サインまで、すべてスマホだけで完結。「伝票やユニフォームを用意する必要がないため、急に予定が空いた時に仕事を受ければ、時間を有効活用いただける」と語る。
運賃は、同社が荷主からクレジットカード決済で預かり、ドライバーにはシステム利用料を引いて支払う仕組み。DIAqプロジェクト・カスタマー担当の田村友里氏(同右)は、「システム利用料は運賃の20%程度を予定しているが、高評価のドライバーには引き下げも検討しており、モチベーション向上につなげてほしい」と話す。
同アプリの企画がスタートしたのは昨年1月。同氏は、「荷物の総量は減っているものの、ネット通販の需要が高まり、小口の発送頻度は増えている」と運送業界を取り巻く現状を指摘する。「ユーザーとドライバーの間に下請けや孫請けを通せば、実際に配送するドライバーの収入は下がり、時間もロスになる」とし、「物流の仕組みを変える必要があると考えた」と、同アプリの開発秘話を明かす。
まずは、東京23区からサービスを開始し、登録運送者は1000人を想定。6月28日からは事前登録キャンペーンも開始した。松崎氏は、「自由な3PLを目指し、新たな取り組みに邁進していく」と未来を見据え、熱く語った。
アプリ名の由来は、「『ダイヤグラム』と『クオリティ』を掛け合わせ、『代役』という意味も持たせた」という。
◎関連リンク→ 株式会社セルートこの記事へのコメント
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