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製品・IT
リトラス DPFを傷めない洗浄
2017年12月1日
中古トラックの販売・買い取りを手掛けるリトラス(東京都港区)は、イギリスでDPFのリフレッシュサービスを手掛けるCeramex社と合弁で「リトラス・セラメックス」を立ち上げた。まずはグループで取り扱う車両を対象にDPFのリフレッシュ&リビルトサービスを提供し、品質向上に取り組むという。
DPFのリフレッシュには、エアや水、溶剤を使うものなど、機種によりいくつか種類があるが、同サービスは精製水と圧縮空気の両方を使用。リトラスの巽真次専務は、「DPFのコアとなるパーツを傷めないように工夫がされた特殊な水を使う」と説明。「エアでは取りきれないススや灰、その他の汚れを含めた目詰まりを丁寧に除去していく」。精製水と圧縮空気の併用により、短時間で大きな洗浄効果を生むのが同サービスの特徴で、「すでに世界で10万件を超える実績を挙げている確かな技術。日本国内でも特許は取得済み」だという。
洗浄後は、専用の乾燥機でフィルター内部の水分を徹底的に除去。さらに、赤外線検査と光検査で、DPFに詰まりや穴、割れなどがないか隅々まで入念にチェックする。最後に、高精度の流速試験装置を用いてDPF内に一定の空気を通し、流量や流速を測定。各試験をクリアし、合格の判断が出れば完成となり、検査結果のレポートと合わせて納品される。
また、リトラスグループでは、アイ・アール・エス(埼玉県東松山市)が開発したディーゼルインジェクター再生洗浄システムも導入。同システムは、特殊溶剤を用いた超音波洗浄で、インジェクターに付着した頑固なカーボンを除去するというもの。「溶剤はインジェクターの部品にマイルドに作用し、傷めることはない」という。
インジェクターを分解せずに洗浄できるため、低コスト・短納期を実現。同専務は、「DPFやインジェクターの故障は車両停止につながるため、トラブル時のコストは計り知れない」とし、「より品質を高めた状態で車両をユーザーに提供する」ために、同システムを導入したという。
今後も、「さらに信頼を得られるような仕組みを構築していきたい」と意気込む同専務。これらの洗浄サービスをビジネスとして展開していくことも視野に入れているという。「ドライバー不足のいま、予備車を持たれているユーザーは少なく、車両が止まると事業に大きな影響が出てしまう」と指摘した上で、「将来的には、『何万キロに1回は洗浄しましょう』といったような、予防整備も提案していきたい」と展望する。
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