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新トラック運送経営のヒント(19)条件の絞り込み
2012年5月18日
「乗車後45分以降60分までの時間帯に眠気が発生しやすい」。これは、ある大学の研究結果です。しかも、この時間帯の眠気は「ドライバー本人の自覚が低い」ということです。
実際、顧問先の運送会社に質問をしてみたところ、ある方は「乗務後30分ほど経過してから軽い眠気を生じることが多い」と回答されました。おおよそ、この統計データは正しいものかもしれませんね。ただ、せっかくの統計データですが、安全管理や運行管理に活用できなければ意味がありません。では、この統計データを踏まえて、賢明な読者の皆さんなら、どんな対策を立てるでしょうか? いろんなアイデアが出てきそうです。例えば、ドライバーに対して乗務後45分経過後に携帯電話を鳴らして居眠り運転防止につなげる。これも一つのアイデアです。もちろん、運転中の携帯電話の通話はいけませんが…。
しかし現実問題として、すべてのドライバーに対して、いつも実施することはできないでしょう。こういう場合には、絞り込みをするのも一つの方法です。もう少し他の統計データも調べると、アイデアの幅が広がります。例えば、国土交通省の統計によると、休日から事故までの勤務日数で特に多いのは「休日明け初日、2日目」だそうです。もう勘の鋭い方はお気づきですね。毎日ドライバーに電話をかけることができなければ、休日明けの初日、2日目に絞り込んで実施できないかを検討してみます。かなり実現可能になってきましたね。
それでも、まだ運行管理者が実施するには時間的に余裕がない場合はどうしたらよいでしょうか? 例えば、長距離運転をしているドライバーに絞り込んでみる。投薬中のドライバーの中で高血圧のドライバーに絞り込んでみる。このようにドライバー全員に対してできなくても、条件を絞り込むことによって効果的な安全対策を実行することが可能になります。
今回の統計データを活用して、あなたなら、どのような実行可能な安全対策を思いつくでしょうか? 一つのデータだけではなく複数のデータを組み合わせることで、自社での実行可能な安全対策が浮かび上がってくるに違いありません。
「条件の絞り込み」。特に中小運送会社の忙しい管理者にとっては大切な視点ですね。
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