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新トラック運送経営のヒント(26)忘れた頃にやってくる
2012年7月6日
「天災は忘れた頃にやってくる」。昔からある教訓です。天災だけでなく、返済(カード払い)もだな、と苦笑している方もいるかもしれません。
実は、トラック事故も忘れた頃にやってくるのです。国交省は先日、トラック追突事故の統計データを発表しました。トラック運送会社の事故のうち、追突事故の割合が?約50%?というデータです。統計によると追突事故の年間発生率は約11%です。大雑把にいうと、100台あれば1年で1件の追突事故がある、ということになります。
このデータをどう捉えるか。ここが運送会社の今後の明暗を分ける極めて重要なポイントになります。100台で年間1件の追突事故。10台の小規模な運送会社であれば、10年に1回あるかないかの追突事故になるわけです。業界の90%以上が車両数30台以下の中小規模ばかりです。そのため「年間追突事故発生率1.1%」の怖さに気づくことができる社長は非常に少ないのです。
私がお会いする社長の中には、「うちは10年間、大きな事故をしていないから、安全管理には自信があるんだ」。そうおっしゃる方もいます。しかし、私がいろいろとお伺いすると「このままで大丈夫だろうか。社長に問題点を指摘してくれるブレーンはいないのかな?」。そう思うことがあります。
事故はいつ起きるか予測できません。しかも、トラックで追突事故を起こした場合、相手方が乗用車であれば、いとも簡単に重傷事故や死亡事故になってしまいます。国交省のデータでも、追突事故を起こした際の危険認知速度が時速30?を超えている割合が約60%以上であることから、トラックによる追突事故がいかに深刻な事態を招くかが分かります。特に高速道路での追突事故の場合、警察が真っ先に疑うのが過労働による居眠り運転。もし運送会社が過労を命令・容認していたとなれば、最大7日間の営業停止です。
これが「年間追突事故発生率1.1%」の怖さ。10年間大きな事故がないことを自負していた社長が、天国から地獄に突き落とされる瞬間なのです。
大した安全管理をしなくても、運だけで10年間、大きな事故を起こさずにすむことはそれほど難しいことではないのです。
天災と追突事故は忘れた頃にやってくる! 賢明な読者の方には釈迦に説法かもしれませんね。
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