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一度了承された運賃でも… 請求時にクレーム
2014年3月19日
人手不足や大型免許取得者不足などから、荷主企業や大手物流企業では繁忙期中の傭車確保に苦戦している。今までのような安い運賃では運送事業者も車両を確保してくれないため、一部の大手物流企業では輸送契約・依頼時に明確な運賃を提示せず、いざ運賃の請求を受けてから「運賃が高い」「考えてもいない運賃だ」などとクレームをつけてくるようだ。
大阪府東大阪市の運送会社では、今まで取引していた大手物流企業から輸送依頼を受け、提示した運賃を「支払う」と口頭で約束した。しかし、同社が自社車両以外の傭車の請求分に電話料数百円(手数料)を上乗せして運賃を請求したところ、担当者からクレームが来た。同社社長は、「契約時の電話の段階で、予算はどれくらいか確認していた。当社も必死に傭車を確保し、提示した運賃に電話料金分を上乗せした金額で請求したところ、『高い、高い』と連呼された。あれだけ嫌味を言われたら、今後、傭車確保はできない」とし、「今のところ請求した金額は支払うとしているが、今後は荷主や大手物流企業の運賃提示は明確にする必要がある」と強調した。
同和泉市の運送会社でも、「荷主は先に運賃を言うと、われわれ運送会社が判断して車両確保に力を入れてくれないと予想しているのか、輸送が実行されるまで明確な運賃を言ってこない。安いと判断されれば車両確保が困難であるためだ。当社では、トラブルを避けるために最低でもどれくらいの運賃が必要であるかは予測して提示するが、やはり安い傭車や車両を求めてくる。しかし現状の人手不足と車両・傭車不足では、繁忙期には運賃面を考慮しないとどこも傭車や車両を提供してくれない。その点、荷主も最近は理解しているため、応じるような素振りだが、現実的に現状の運賃では今後、傭車・車両確保が厳しくなるはず」と強気に語った。
同運送会社では、提示した運賃に荷主が「高い」と答えたため断ると、その数時間後に「提示の運賃でもいい」と車両手配を申し入れる荷主企業も多い。今後は運送事業者も適正運賃を求めていくことが必要との考えを示す。
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