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物流ニュース
安立運輸 出島康佑社長 「掛け算」で新たな価値を
2018年6月12日
大手新聞社の輸送を担い、首都圏をはじめ東日本各地に営業所を展開する安立運輸(東京都荒川区)。現在、同社を率いているのが3代目の出島康佑社長。学生時代にはベンチャー企業の立ち上げを経験。その後は、広告代理店での勤務や食品メーカーでの営業職を経て見識を深めてきた。2011年に入社後、業務の補助など経験を積みながら、将来の事業承継に向けて着実な歩みを進めていた同社長に大きな転機が訪れる。先代の急死により急きょ、代表へと就任することとなった。運送会社の経営はもちろん、自社のポジションすらよく理解できていない中での承継だった。
代表就任後、まず初めに取り掛かったのは自社の現状分析だった。その結果、「新しいビジョン」「社内統制」「リスクマネジメント」という3点を重点課題として位置付けた。会社を将来に渡って発展させていくために、「輸送の幅を広げ、さらなる物流会社を目指す」というビジョンを掲げた。「安定した取引先に支えられ、これまでは対外的なPRは必要なかった」と同社長。
ビジョン実現に向けて、若き社長の挑戦が始まった。具体的な改善項目を選び出し、一つずつ着手した。ホームページを立ち上げ、自社のメールアドレス、会社ロゴを作り、それらの情報を名刺に記載。対外的な側面を強化していった。併せて、女子トイレや会議室の設置など、社内の環境整備も進めた。また、中核社員とのコミュニケーションを密にするために役員と管理者がミーティングする時間を設けた。
改革を進めていく中で、助けとなったのは同社を支えてきた中核となる社員の存在だった。 「会社をより良くしていくために、どうすればよいのか一緒に考えてほしい」という思いを伝え、協力を得ることができた。
対外的なPRのために特に力を入れたのが新しい会社概要の作成だ。管理者や若手社員など、同社長と思いを共有できるメンバーで「他社にはない安立運輸の強みは何なのか」意見を出し合った。見つけ出した答えは、新聞輸送で培ったバックアップ体制や時間の正確さだった。作成した会社概要を中心に据え、会社案内を刷新し、今後はホームページにも反映していく。
社長に就任してからの数年の間に、広告代理店とタイアップしたトラック広告事業やマッチングサービスなど、新たな分野に挑戦してきた。昨年には新しい仕事を獲得するために新しい営業部署を立ち上げている。
「代々受け継いできた輸送という根幹は何も変わらない。自社の強みを生かして横に展開していきたい」と強調する。「物を届ける×何か」という掛け算で新たな価値を生み出していく。 「働くことを楽しめる環境をつくることが目標。安立運輸を日本一楽しい運送会社にしたい」と語る。
◎関連リンク→ 安立運輸株式会社
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