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物流ニュース
豪雨でも「なぜ届けぬ」 荷主からクレーム
2018年7月25日
7月の豪雨による多大な被害により、鉄道はもちろん、陸上輸送のトラックでも道路や高速道路の通行止めや寸断で、西日本の地域では通行できない状況となるなど、予想以上に大きな影響を与えた。こんな中、大手運送会社でも荷受けの停止や遅延などをホームページで紹介して人命第一で取り組んできた。
しかし、荷主の一部では、こういった甚大な被害や警報が発令されているとき、大阪府下の運送A社に対して「なぜ荷物を届けないのか」と激怒してクレームを入れてきたという。
A社社長は荷主の要請に対して「もし、配送先に向かって当社ドライバーが災害に巻き込まれたら補償してくれるのか。命を保障してくれるのか」と逆に荷主に対して激怒を隠して訴えた。すると、荷主は何も言わずに電話を切ったが数日後、荷主はA社社長に謝罪し、改めて今まで通りの付き合いと、新たな輸送を依頼し、互いに和解した。
A社社長は「荷主にも混乱が生じていて、荷物が届かないことにいら立つところもあった。しかし、大半の荷主は警報が発令されている中で、よく配達してくれたねという感謝の言葉もあり、ドライバーの中には、その言葉に自信が持てたと話す者も多かった。トラック輸送は鉄道や船などが運行できなくとも、陸路が通行できるなら、他の輸送手段より優れていることを我々も理解し、さらにドライバーの自信につながった。いまだ中国・四国・関西・九州では大きな被害が尾をひき、復旧も進んでいない中で、1日も早く復興を願っている」と語った。
荷主企業も混乱して、商品が到着しないことにいら立ってクレームを付けたようだが、A社社長の人命第一という言葉に我に返って反省したようで、その後は円満な取引につながった。さらに豪雨の中で感謝を伝えられたドライバーは、配送への自信につながったようだ。
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