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ブログ・川﨑 依邦
経営再生物語(213)捨て身の話し合い〈事例A〉
2018年9月3日
〈つぶれるよりは……〉
A社長は、勧告書骨子を実行することを決断した。経理も配車係の古参幹部も、初めはとまどいの色をみせた。
「そんなことができるのか」
「そこまでしないと会社は存続しないのか」
一方、労働組合は抵抗した。ところが最終的には合意した。決め手は勤続20年のベテランドライバー5人からの協力申し出である。
「先代にはお世話になったし、2代目も学生のころからのつきあいだ。協力するよ。会社がつぶれてしまうのは悲しい。確かにつらいけど金で済むことだ。つぶれてしまうのは、もっとつらい」
合意に当たっての労働組合の言い分は「A社長、もっとがんばってくれ、もっといい仕事を取ってきてくれ。我々ドライバーはハンドル握ってがんばるよ」だった。
A社のケーススタディが示すものは、トップの捨て身戦法の迫力である。〝身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ〟ということである。
以上
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筆者紹介
川﨑 依邦
経営コンサルタント
早稲田大学卒業後、民間会社にて人事・経理部門を担当し、昭和58年からコンサルタント業界に入る。
63年に独立開業し、現在では『物流経営研究会』を組織。
中小企業診断士、社会保険労務士、日本物流学会正会員などの資格保有。
グループ会社に、輸送業務・人材サービス業務・物流コンサルティング業務事業を中心に事業展開する、プレジャーがある。
株式会社シーエムオー
http://www.cmo-co.com -
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