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射界
2019年2月4日号 射界
2019年2月11日
人は名前で呼ばれると嬉しくなる。なぜか。色々な根拠が説明されるものの、結局は「相手に受け入れられたい」とか「理解して欲しい」という願いが、名前を呼ばれることで納得できるからであろう。名刺交換の後、名刺を見ながら名前を織り込んで話す。それだけで空気が和らぐから不思議だ。
▲初対面の場合、名前と顔を一致させるのは大変である。相手が複数であればなおさらだ。2回目なのに「初めまして…」と切り出して失笑をかった経験もある。赤面しながら「記憶力が弱くなって」と言い繕うが、実は、記憶力の問題でなく、「洞察力」の問題と考えたい。相手への関心の度合いが薄いことを自白したようなものだから。相手の心情にも関わる。
▲相手が誰であろうと面会の機会を得れば、それ相応の関心を持って接すべきである。数多く人と接することで、その人のパーソナリティーとかキャラクターが読み取れるはず。これを「洞察力」という。仕事の大半が人との接触、会話から始まると考えれば、仕事の成否は洞察力の使い方いかんに関わる。会話を単語の交換だけに終わらせては空虚なものになる。
▲仕事の成否は、いかに相手の懐に飛び込むかで決まる。相手の性格や信条、考え方をいち早くキャッチして内懐深く入り込むかが問われる。名刺交換に始まり、語り口や身のこなし、言葉遣い、ちょっとしたジェスチャー、眼差し、そして笑顔…人間観察の洞察力は尽きることなく続けられる。名前を頭に置いた会話などは誰もができる技だ。使ってみよう。
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