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物流ニュース
サンリツ 「オートストア」導入、ピッキング効率は約25%改善
2019年3月1日
東日本梱包工業組合の第2支部に所属するサンリツ(三浦康英社長、東京都港区、東証一部上場)は1948年に設立。事業所は国内に13、上海に1事務所を置いている。子会社として中国と米国で現地法人を保有し、国内では千葉三立梱包運輸が3拠点でセンターを展開している。営業部と物流技術部を置く京浜事業所(横浜市神奈川区)は2012年に竣工した環境保全に留意したメイン倉庫で、4階分の倉庫棟および事務所棟があり、倉庫棟の5階には全国優勝経験も持つ全日本実業団卓球部の活動の場となっている。
サンリツが自動ロボット制御ピッキングシステム「オートストア」を導入・稼働したのは2018年4月。約6億円を投じ、4階部分の作業エリアを除く保管エリアの35%、約330坪の面積を自動化した。
「医療機器は種類が多く、使用頻度の高低や使用期限の長短があり管理が煩雑。ロボットでのピッキング対象商品は、回転率が中・低程度の医療機器類で、高回転品は人の手でピッキングできるよう近くの棚に保管した方が、処理が早い。中・低回転品は使用期限などのデータも個別に管理しながらボックスに保管するため、オーダーが入ると同じ商品でも先出しすべき個体を優先してロボットが持ってきてくれるので、未使用のまま使用期限がきて廃棄せざるを得ないといったリスクやコストを低減できる」と話す。
商品を一つずつボックスに保管する手間はあるが、「ピッとスキャンし、モニター画面に保管個数やボックス情報をタッチ入力するだけ」と説明する。
自動ロボット制御ピッキングシステム「オートストア」は、60×40×30cmのボックスが天地に10段積み重なった柱状のものを1枠として1600枠あり、その各枠の上には縦横にレールが敷かれ、カート状のロボット60台が動き回れるようになっている。データ入力やピッキング指令を出すワークステーションは10か所あり、出庫に7か所、入庫に3か所を使用。ワークステーションから指定を受けたロボットは天井近くのレール上を効率よく縦横無尽に走り回り、目当ての商品が収納されたボックスを集めてワークステーションまで集めてくる。担当者はボックスの中から必要な商品を取り出し、取り出したことを画面にタッチ入力していく。
「ロボットは時速10kmで動き、充電が必要になれば60か所あるポートに戻り充電もする。現在は朝9時から夜7時まで稼働しているが、5人分程度の働きをしている。ピッキング効率は約25%改善された」といい、今後の取り組みとしては「オートストアのピッキング作業の前後工程である包装作業や倉庫内運搬作業の自動化などについて顧客とプロジェクトとして取り組んでいく」と語る。
◎関連リンク→ 株式会社サンリツ
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