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ブログ・鈴木 邦成
第95回:専門量販店の躍進
2006年9月3日
ディスカウントストアは現代小売流通の主役ともいえるが、戦後まもなくルーマニア系米国人のユージン・ファカウフが、旅行かばんの格安店「E・J・コーベット」を開いたことが始まりとされている。
日本では80年代後半以降、ディスカウントストアの一形態である家電量販店やドラッグストアが若者向けなどに独自のマーケットを構築していった。家電量販店などの専門量販店(専門スーパー)は、独自の品質保証制度やアフターサービスの充実、そして特定メーカーに捉われない品揃えなどを行いながら、総合スーパーなどとの差別化を図り、家電小売流通の中心的な存在へと成長していった。その結果、21世紀の小売流通において中心的な役割を演じるまでの存在となった。
他方、家電量販店の躍進と並行するかたちで紳士服、スポーツ用品、カメラなどの専門量販店なども独自のマーケットを拡大していった。
さらにいえば、ドラッグストアはチェーン店方式のもとに、医薬品のみならず健康食品、美容・ダイエット関連商品、日用品などを幅広く扱い、90年代後半から00年代にかけて急速に発達していくことになった。
しかも、食品部門をも併せ持ったり、店舗を大型化したりすることで、総合スーパーと同一のマーケットで熾烈な競争を繰り広げる専門スーパーも登場している。また、コンビニエンスストアとも、ある程度の競合関係を持つことになる深夜営業、24時間営業を年中無休の体制で行う「ナイトマーケット」を意識した専門スーパーや量販店も出現している。この記事へのコメント
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筆者紹介
鈴木 邦成
物流エコノミスト・日本大学教授
国際政治経済、国際文化に関する造詣が深く、記事・論文・著作多数。
欧米諸国の地域経済統合の流れを、物流・ロジスティクスの観点から追求している。
国際物流に関するセミナーやロジスティクスに関する講演会での講師歴は多数。 -
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