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ブログ・湯浅 和夫
第10回:アクティビティの作業区分
2007年3月22日
◆ 作業効率管理における作業区分
ABCはもともと作業効率管理のために開発された技法ではないので、作業管理における作業区分という話はABCにおけるアクティビティ設定というテーマからは少し脱線することになるのだけれど、わりとよく質問されることなので、もう少しこの話を続けることとしたい。
作業効率を管理するうえで、ある一定のレベルで作業をくくり、その範囲の平均値でもって効率の「近似値」をとらまえていくのが必須のことである。どのレベルでくくるかということは管理者の判断であるが、できるレベルでやればよいのである。
ラックピッキングの作業効率管理において、移動距離の違いを正確に反映させた管理をやるとすれば、「ラックピッキング移動」と「ラックピッキング取り出し」というように動作レベルで区分し、ロケーションごとに移動時間を算出して1件1件のピッキングの目標値を設定する。ハンディターミナルで目標時間を1件ごとに作業者に提示できる、さらに、実際にかかった時間を目標と比較して1件ずつ評価することもできるという環境をもつセンターであれば、この管理はかなり有効である。
でも、そこまで区分せずに「ラックピッキング」でくくり、一定の時間内どれだけピッキングできるかというレベルで捉えていこうという管理も、十分、有効である。大切なのは「管理不能=管理不在」ということにならないことである。管理不在に比べれば、ラフなレベルではあっても管理されている方がはるかに優れていることはいうまでもない。(ちなみに、「1ケースずつ7ケース」と「10ケースから3ケース除く」の違いは、およそ、管理上意味を持たない違いであると考えられるが、いかがであろうか?)この記事へのコメント
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筆者紹介
湯浅 和夫
株式会社湯浅コンサルティング 代表取締役
1946年 埼玉県生まれ
1969年 早稲田大学第一商学部卒業
1971年 同大学大学院商学研究科修士課程修了
1971年 日通総合研究所入社
1996年 同社経営コンサルティング部長
1999年 同社取締役
2001年 同社常務取締役
2004年 3月、同社を退職
2004年 4月、株式会社湯浅コンサルティングを設立し、代表取締役に就任。現在に至る。 -
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