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ブログ・花房 陵
第6回『自社物流施設の評価』
2007年3月22日
自社の物流資産はどのような状況にあるのでしょうか。
土地の取得はいつ頃でしたか、建設時期は、減価償却はどこまで進みましたか、その間に、どれだけの修繕費、補修経費を使いましたか?
さて、ライフサイクルコストという観点で物流物件を見直す風潮があります。
ライフサイクル?つまり、物流資産の取得から大規模改修、そして処分までのまさに、建物の一生のコストを計算するものです。
建物は減価償却の対象で、満額償却が終わると再建築の経費が内部留保されるしくみにあります。
土地は償却ができず、むしろこれからは減損会計と呼ぶ、時価評価に変わります。
土地神話が終わり、簿価との差額が含み資産、借り入れ担保余力と考えられていた土地は、運用益重視で相場が決まるようになりました。
これもまた、土地のライフサイクルというものを見直さねばならないことと同じです。
自社物件の運営コスト?減価償却が終わりに近づくと、保管のための原価が限りなくゼロに近づき、安い保管費でも充分採算が見込めるというのが従来の倉庫業のうまみでした。
さてどれほどの味か?というのをきちんと計算するのがライフサイクルコスト、別名ファシリティコスティングという手法です。
土地建物は再開発という手段でさらに活性化が可能になります。
マンションや住宅では頻繁に行われているのでご存じでしょう。
物流資産も同様に考えると、旧来の倉庫はいつまでもうまみを感じるより、更なる収益源として再開発ができるのではないか。
自己資金ではしんどくても、自社物件をファンド化することでこれが可能になります。
再開発によって新たな収益性の高い物流不動産に生まれ変わらせる救世主が、今誕生しているのです。
次回は自社物件の選択肢を考えてみましょう。この記事へのコメント
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筆者紹介
花房 陵
イーソーコ総合研究所 主席コンサルタント
コンサル経験22年、物流から見た営業や生産、経営までをテーマに 28業種200社以上を経験。業種特有の物流技術を応用して、物流 の進化を進めたい。情報化と国際、生産や営業を越えたハイブリッド 物流がこれからのテーマ。ITと物流が一体となる日まで続けます。 -
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