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ブログ・船井総研ロジ
第8回:ABC分析で得られるメリット
2007年3月22日
■『分析によって得られる5つのメリット』
前述のように、『物流センターに入荷した商品を検品し、保管棚まで移動する』、そして、『保管棚に格納する』といった一連のプロセスで、このプロセスを維持するにはすべてコストがかかっています。従って、ABC分析で、どのようなプロセスや活動に、どれだけのコストがかかったかを丹念に検討すれば、会社活動の実態そのものが見えてきます。ABC分析を導入した際に、経営で明らかになるものとしては、別掲の5つが考えられます。複雑化した組織体制・プロセスを持つ会社には、導入することで多大なメリットがあると言っても過言ではありません。
■『会社でコントロールできるのはコストのみ』
競争が厳しい今の時代、製品やサービスの販売価格は、かかったコストに利益を上乗せして決まるというものではなくなっています。場合によっては、販売価格よりコストの方が大きいということもあります。販売価格は、会社と顧客との交渉や市場原理で決まり、コストは使った材料、設備、労働力の大きさで決まってしまいます。つまり、『販売価格とコストは別々の要因で決定する』ということです。ここで注意したいことは、売上・コスト・利益のうち、会社の中で発生し、『コントロールが可能なのはコストだけ』ということです。コストを上手くコントロールできる会社が、今の時代を上手く生きていけるのではないでしょうか。
■『最大価値を生むアクティビティをつくろう』
サプライチェーンを構成する企業には、共通したある『使命』があります。それは、『顧客満足(品質=Q・コスト=C・納期=D)の追求』です。私は、それがその企業の価値だと思います。また、サプライチェーン上の各企業は、様々なビジネスプロセスを構成しています。例えば、製品設計・受注・調達・生産・出荷・物流・アフタサービスなどがそれにあたります。
そのビジネスプロセスは、さらに細かい活動(アクティビティ)で構成されています。例えば、会議する・設計図を作成する・電話受付する・請求書を発行する・顧客訪問するなどがそうです。そういったビジネスプロセス(さらにアクティビティ)を維持するには、当然、コストがかかります。ですから、利益を確実に出すには、このアクティビティのコストを正確に管理できなければならないということです。
ここで言いたいことは、これからの企業は、『自社の活動最小単位(アクティビティ)の価値を最大限にし、競争優位を図ることが大切』だということです。その判断基準を検証するために、ABC分析の取り組みが必要なのです。この記事へのコメント
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筆者紹介
船井総研ロジ
本コーナーでは、船井総研ロジ株式会社による リレー連載を掲載します。
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