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ブログ・青木 正一
第140回:2代目社長 あなたは何ができますか?
2008年8月22日
約15年前、お会いする物流会社の社長は、一部の大手物流会社を除き、父親ぐらいの年齢で、しかも創業経営者が多かった。
戦後間もなくトラック1台から運送業を始め、高度成長期に会社組織に改組し、日本経済を支えてきたという「強者」ぞろいであった。多くの創業社長に、多くの経営学を学ばせてもらった。良き時代に、この業界に入ったものだとつくづく思う。
時が経ち、ここ6年近くの間に、多くの創業社長は2代目にバトンタッチした。それが息子であったり、娘婿であったり、創業社長の右腕であったりする。
2代目となった彼らは今、経営者としての真価が問われている。このゼロ成長時代ともいえるこの時に、どのような物流業を営むのか。また、先代社長と比べて経営手腕があるのかないのか、という周囲からの比較評価がどうしてもある。
しかし、これら2つの視点は彼らに何のメリットも生まないし、今やまったく次元の違う噂話のレベルに過ぎないと私は思う。
高度成長期は、運べば運賃をもらえ、会社の売り上げもほぼ比例して増加していった。そして、そのような状況の中で、不眠不休のパワーと強いリーダーシップのある「親分」が経営を発展させた時代であった。
今や過去の成功体験から学べるものは、そう多くはないであろう。そういう意味では、2代目経営者も新しい時代に生きる「創業者」であり、「引き継ぐ」のではなく「創造」していくという意識の切り替えが必要である。
先代が残した有形・無形の資産を守り、当たり障りのない経営で、そのまま引退を考えているようであれば、それは違うだろう。
会社の寿命を著しく短くしてしまうか、もしくは、うまく次の経営者にバトンタッチできたとしても、その時代で会社は幕を閉じるであろう。
あなたの経営者としての役割は何ですか? あらためて自問自答されてはいかがでしょうか。 -
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筆者紹介
青木 正一
株式会社日本ロジファクトリー
1964年11月13日生まれ、京都産業大学経済学部卒。
学生時代に数々のベンチャービジネスを行い、卒業後、ドライバーとして大阪佐川急便入社。1989年株式会社船井総合研究所入社。物流開発チーム・トラックチームチーフを経て、コンサルティングでは対応できない顧客からの要望を事業化するという主旨で1996年“荷主企業と物流企業の温度差をなくす物流バンク”をコンセプトに、物流新業態企業「日本ロジファクトリー」を設立。代表取締役に就任。
主な事業内容として「現場改善実務コンサルティング」「物流専門人材紹介(ロジキャリアバンク)」「物流情報システム構築サポート(ロジシステムデザイン)」を行なっている。
また、物流業界におけるコンサルタントの養成、人材の採用、育成、M&Aといったプロデュース業務も手掛けている。
最近では、産業再生機構からの要請を受けるなど、「物流再生」に力を入れている。 -
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