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ブログ・野口 誠一
第322回:会の運営でてんてこ舞いに
2011年10月6日
はじめての試みということで、「八起会」は大きな反響を呼んだ。いきがかり上、「会長」に推された私は、がぜん忙しくなった。会の運営やらマスコミへの対応やらでてんてこ舞い。しかもすべてがはじめての経験で、毎日がへとへと。せっかくの「会」なのだから、あれもしたい、これもしたいと欲がわいてくる。とりわけ「五つの方針」はすぐにも立ち上げたい。時間などいくらあっても足りなかった。
しかし、八起会の活動はあくまでボランティア、心の張りにはなっても腹の足しにはならない。私にも生活がある。第一、妻子を働かせながら自分はボランティアというのでは、家族に対して申しわけないし、何よりも会員と世間に対して恥ずかしい。さすがに私も「定職に就かねば」と思うようになった。
幸いなことに、八起会が発足するや「うちで働いてみないか」とか、「おたくの会員から何人か引き受けてもいいが」とか、「経理のできる会員がいたら紹介してほしい」などという引き合いが入るようになった。なかにはかなり条件のいい話もあった。
しかし、会長の私が、「それでは自分が参ります」というわけにはいかない。そんな図々しいつまみ食いをしていたら、八起会など1日とてもつはずがない。天網恢々疎にして漏らさず、どんなに秘密にしていても、そういう話はたちまち「悪事千里」となり、「野口は八起会を食いものにしている」となるのがオチである。私はそれらの引き合いをすべて会員にまわし、自分は新聞の求人欄で仕事をさがし始めた。
われながら「その意気やよし」と褒めてやりたいところだが、なさけないことに、ようやく仕事を見つけて働きに出たその日から、私の「涙」と「怒り」の日々が始まったのである。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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