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ブログ・高橋 久美子
第109回:大トロ100円の寿司屋
2012年3月27日
「お金をもらう」=悪いこと、「安くする」=いいこと
もしもあなたが、トラック20台以下の運送会社の経営者でありながら、このような考えを持っている場合は注意が必要です。いつものように飲食店の例でみてみましょう。
街中で、「おいしいものをどこよりも安く」と書かれた飲食店の看板を見かけます。ここで、あなたに質問です。あなたの近所にお寿司屋さんがあります。旦那さんが握って、奥さんがフロア係。夫婦2人でやっているお店です。腕に自信のある店主が「どこよりもおいしく、どこよりも安い価格で提供するのが、うちのモットーだよ」そう言って、あなたの目の前に大トロを差し出しました。「うちは、回転寿司にも負けないよ。全品100円、この大トロも100円だよ」
さてあなたはどう思いますか?「大トロ100円なんてラッキー!いい店だなあ」と喜んで食べられますか?おそらく「この大トロ、大丈夫かなぁ」と、ちょっと心配になってしまうのではないでしょうか。
私たちはもちろん「安くておいしいもの」を求めています。しかし、「安く提供できる理由」が明確でなければ不安になります。例えば、マクドナルドのハンバーガーや、すき家の牛丼が安い理由は何でしょうか。それは「規模の原理が働くからだ」と容易に想像できますよね。大量の肉を一度に仕入れるので、当然、1個あたりの原価が安くなる。だから、私たちは安い価格でも安心して食べることができるのです。
それでは、規模の原理が働かない小さな家業で、大手と同じような低価格で勝負しようとした場合、どんな事が起こるでしょうか?考えてみましょう。
「低価格で提供する」ということは、その分「どこかを削る」ことになります。削るところは「経費」と「利益」の、どちらかしかありません。通常、スモールビジネスでは削れる利益など最初からないので、経費を削ることになります。では、どの経費を削るのか?ですが、実はここが「会社の存続を左右するほど重要になってきます。
全国中小規模運送会社・経営改善推進委員会代表 高橋久美子
http://www.handlecover.com/kaizen/この記事へのコメント
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筆者紹介
高橋 久美子
あなたの会社が儲かっていない本当の理由
規制緩和により、夢大きく独立開業した運送会社の社長たち。その社長さんたちが、規制緩和後の業界環境の変化により、今、とても厳しい状況に立たされています。経営不振の影響によるメンテナンスの不備も懸念され、それが引き起こす悲惨な交通事故も、連日ニュースで報道されています。このような危機的状況を受け、中小規模運送会社の根本的な経営改善と救済を目的として発足したのが、私たち「全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会」です。
全国中小規模運送会社 経営改善推進委員会 -
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