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ブログ・野口 誠一
第369回:強力なライバル現れ
2012年7月16日
この十年ばかり、食品業界の賞味期限改ざんや、原材料の不当表示事件が相次いでいます。なかには名門、老舗といわれる企業ですら、例外ではありません。こうした事件が発生する背景には、巨大化した流通産業のパワーが存在します。リードタイム(受注から納品までの時間)の短縮などは、その最たるものです。
買う側(スーパー・コンビニ)のバイイングパワーが強くなりすぎて、製造業者はその要求にノーと言えません。言えば仕事を失ってしまいます。その恐怖感から、本来あってはならない先付製造に走ってしまうのです。
私どもの業界も例外ではありません。1便につき2─3時間のリードタイムでは到底無理です。となれば、あらかじめ製造しておき、あとでラベルを貼るしかありません。中小の納入業者にとって、賞味期限の改ざんや不当表示は、悪いこととは知りつつも無理からぬことなのです。そうしなければ生き残っていけないのですから。もちろん、改ざんも不当表示も犯罪です。社会問題です。しかし、その背後に巨大流通業のプレッシャーがあることも、ひとつの社会問題ではないでしょうか。
話を私の経営に戻します。しばらくは残ったコンビニ2社との取引で、どうにか事業は継続していましたが、やがてそのうち1社との取引を私どものほうから打ち切りました。単品の発注数が少ないうえにアイテムの改廃が激しく、当社にとっては生産効率が悪く、資材ロスもはなはだしかったからです。
残ったコンビニは1社です。これではどうにもなりません。私は否応なく経営の見直しとリストラに着手せざるを得ませんでした。ところがその矢先、また難題が発生しました。同一エリア内に強力なライバルが登場したのです。この記事へのコメント
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筆者紹介
野口 誠一
八起会 会長
株式会社ノグチプランニング 代表取締役
昭和5年 東京生まれ、日本大学卒業。
昭和31年 25歳で玩具メーカーを設立し、従業員5名・月商150万円でスタート。 わずか5年で従業員100人・年商12億円を売り上げるまでに成長させる。
しかし、ドルショックと放漫経営がたたり、昭和52年に倒産。自宅や工場などの全資産を処分して負債を処理し、会社を畳む。
翌53年、倒産経験者同士が助け合う倒産者の会設立を呼び掛け、『八起会』を設立。
弁護士や税理士、再起に成功した会員らが無料で電話相談に乗る『倒産110番』を開設。
再起・整理などの実務的なアドバイスや経験談を交えた人生相談を無料で奉仕している。
昭和59年 株式会社ノグチプランニングを設立し、再起をはかり、執筆活動や全国各地で講演活動を展開している。
平成28年2月18日 東京都内の病院にて逝去、享年85歳。
HP:https://yaokikai.com -
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