道交法の改正で交通ルールが変わった電動キックボード。広島市内で見かけるのはまだ珍しいものの、今回１６歳以上なら免許不要で運転できるようになったことから、利用者が増えると予想される。

電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」という車両区分で、自転車や原付バイクと同様に車道の左側を走らなければならない（自転車の通行帯も走行可）。制限速度は時速２０ｋｍで、最高速度表示灯の装備のほか、自賠責保険や登録（ナンバープレート）も必須で、自転車のような手軽さはない。

車道の左側は、すでに自転車や原付バイクで〝混み合った〟状態。ここに電動キックボードが加われれば、事故が多発することが懸念される。コロナ禍での運動不足の解消や、フードデリバリーの普及で自転車を使う人が増えたが、車両である自覚がないのか逆走や信号無視をよく見かける。電動キックボードも自転車も、交通ルールに従って走らなければならないが、免許不要で乗れることを考えると、トラックのドライバーは一層の注意が必要になりそうだ。

広島市内でドライ食品の配送を行うドライバーは「６月の安全会議で話題に出たが、けっこう速度が出るらしい。自転車同様、気を付けなければならない」と気を引き締める。愛媛ナンバーの大型トラックのドライバーは「我々のような大型車は死角に入られるのが特に怖い。正直、事故に巻き込まれるのはごめんだ」と話す。

また、福山ナンバーの中型車のドライバーは「ヘルメット着用を義務にするべき。車の大きさは関係なく、交通ルールを守ることは当たり前。ルール無視の自転車が目に付くが、同じことになりそうで不安だ。車両なのだから運転免許は必須では」と疑問を口にする。