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    DHLジャパン 積極的にTAPA取得を推進

    2007年7月9日

     
     
     

     ディー・エイチ・エル(DHL)では、グループ全体で輸送・保管プロセスのセキュリティレベル向上を推し進めている。その一環として、TAPA認証取得への取り組みを強化。アジア太平洋地域ではすでに100を超える認証実績を誇っている。
     日本は、その治安の良さから、アジア地域に比較するとTAPAの浸透は遅れているとされるが、ディー・エイチ・エル・ジャパン(DHLジャパン)では、グループ全体の流れに沿う形で認証の取得を積極的に推進。国内拠点での認証取得数は6か所を数えている。同社の取り組みについて、藤井英介ナショナルセキュリティマネージャーに話を聞いた。


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    藤井マネージャー
     同社がTAPAへの取り組みを開始したのは、「横浜サービスセンター」で認証取得した03年にさかのぼる。以降、「東京ディストリビューションセンター」(04年)、「関西国際空港ゲートウェイ」(同)、「熊本サービスセンター」(05年)、「府中サービスセンター」(同)、「中部国際空港ゲートウェイ」(06年)と認証数を着実に伸ばしてきた。07年5月に開設し、自動仕分け装置の導入など、最新鋭の物流施設として話題を呼んだ「関西国際空港ゲートウェイ」も、TAPAのAクラス認証を受けている。
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    関西国際空港ゲートウェイ
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    中部国際空港ゲートウェイ
     認証取得施設のうち、横浜・府中・東京は既存の建物だったという。同氏は、「TAPAには窓やドアの開閉状態など、建物の設計そのものに関する要求事項もある。既存施設に対し、要求を満たす設備を整えるのに苦労した」と振り返る。
     取得に至るまでに配慮すべき点として、同氏は、「(欧米・アジアに比べると)安全対策への緊急性が比較的低い日本では、スタッフにその必要性を分かってもらうことが重要」と説明する。というのも、「盗難を防ぐには、(貨物を取り扱うことが可能になるまでの)手続きを複雑化することが求められる」が、これを実現しようとすると、業務スピードが落ちることを懸念する声も当然上がってくる。
     しかし、同社の場合は「社員教育でセキュリティに対する意識を根付かせているため、大きな反発はなかった」。たとえば同社では施設の出入りを全てIDカードで管理しているが、「社内規定に盛り込み、業務として実施することで自然と受入れられた」という。また同社は、国土交通省が創設した「Regulated Agent制度(=特定フォワーダー制度、荷主から航空機搭載までの過程を一貫して保護するための制度)」の認定を受けており、制度に準拠したセキュリティトレーニングを全社員に対して徹底。そのため、「TAPA取得の取り組みや、それに伴う業務変更への理解もスムーズに進んだ」という。
     いまのところ、航空貨物の玄関口となるゲートウェイ施設を中心とした取得状況となっているが、今後は全国へのサービスセンターへも取り組みを進めていく構え。同氏は、「取得はしないまでも、全ての施設をTAPAと同等のレベルにはしておく」との考えを示す。その理由として、「運用面の手続きにまで踏み込んだ『TAPA—FSR』の基準は、セキュリティに対する取り組みを行う上で非常にバランスがとれている」と説明する。
     同氏は、「9.11テロを背景に、現金や美術品だけでなく、一般貨物でもセキュリティの必要性が高まってきている」と、航空貨物を取り巻く現状を分析。その上で、同社の目指すところについて、「最もセキュリティレベルの優れた企業としてお客さまに認知されたい。同業他社の模範となれるよう、今後も取り組みを続けていく」と話す。
         ◇
    セキュリティへの取り組み
     DHLには「セキュリティマネージャー」という役職が設けられている。DHLジャパンには四名が在籍し、もちろん藤井氏もその一人。彼らはセキュリティ専門部隊として活躍し、その使命は「DHLのネットワーク上にある、あらゆるヒト・モノ・カネの安全を確保すること」。国内はもとより、世界中のセキュリティマネージャーが緊密に連携を取り合いながら、DHLネットワークの安全確保に努めているという。
     また、クオリティコントロールセンター(QCC、下写真)では、国際的な貨物の流れを二十四時間体制で監視。センターでは、「航空機の遅延が発生した際でも、被害を最小に抑えられるように手段を講じる」とし、災害や政治的テロなどのリスクも視野に入れた体制が整えられている。(村上千秋記者)
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    ◎関連リンク→DHLジャパン

     
     
     
     
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