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    軽油値下がりに疑問符…ガソリンと縮まる「価格差」

    2008年9月18日

     
     
     

     9月分の軽油価格について現在、トラック事業者にリッター10円ほどの値下げ予告が販売業者から届いているようだ。インタンクで同135円、スタンド買いで同138円前後の値段と話す関係者が目立つ。
     ただ、このところの価格暴騰で運送経営者らも感覚がマヒしているのか、「なんとか120円くらいに下がってくれれば…」という声が気になるが、どれくらいの値戻しになろうが「道路建設ための目的税」である点から見た、暫定税率継続という税制の矛盾を、業界全体として継続して訴えていきたいところだ。


     ところで最近、市中のガソリンスタンドの価格表に違和感を覚えるケースが増えた。暫定増税分を含んだガソリン税がリッター当たり53円80銭であるのに対し、軽油引取税は同32円10銭。その差は21円70銭で、これまで双方の単価には少なくとも20円以上の開きがあった気がする。しかし、今春の暫定増税分の期限切れにともなうドタバタ劇や、その後に一段と大幅な値上げ基調となって以降、その差がぐっと縮まっているように感じるのだ。
     いまも両者の価格の開きを維持するガソリンスタンドもないことはないが、20円を大きく割り込んだ表示を目にする機会が増えているのは確かだ。
     西日本地区で見掛けたガソリンスタンド(写真)では、ガソリン(レギュラー)がリッター169円なのに対し、軽油は同162円と、価格差はわずかに7円。「それでも軽油のほうが安い」といえばそれまでかもしれないが、税金を除けばガソリンが115円20銭、軽油は129円90銭と逆転してしまうことになる。
     かつて贅沢品といわれたガソリンと、産業油と位置付けられてきた軽油。そのイメージが徐々に薄れ、近年はディーゼル車が常に悪者扱いにされてきた国内事情もあるが、「オクタン価の違いで輸出が難しいガソリンが国内でダブつく一方、高値で売れる軽油は海外へ流れる。需給バランスの問題が両者の単価の開きを縮めているのは間違いない。空前の利益を計上しているという元売りには、石油資源のない国が石油製品を輸出するうえのマナーをわきまえてもらいたい」との指摘も聞かれる。(長尾和仁)

     
     
     
     
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