昨今のように景気状況が厳しい中でも、伸びている企業の共通点として「新規顧客獲得より、既存顧客との関係強化に注力している」ということが挙げられます。もちろん、新規案件の開拓も大事ですが、それ以上に既存顧客の定着が非常に重要です。そして、既存客の売り上げをさらに増やすためには、インストアシェアを上げることが必要です。

　インストアシェアとは、ある荷主企業における物流費のうち自社が占める割合を指します。インストアシェアを上げるための有効な施策として、「お客様アンケート」があります。お客様アンケートとは、Ａ４両面でアンケートを作成し、半年に一度や年に一度、既存客に対して実施するのです。
　表面は自由記入欄にし、現在利用していて「評価していただいている点、感想」「不満点、要望事項」などについて記入していただきます。評価していただいている声は、ホームページや営業ツールに、お客様の声として活用し、不満点は早急に対処します。そして、裏面にインストアシェアを上げるための質問項目を載せます。ストレートな内容で、「現在他の運送会社も利用されていますか？」「何か物流に関してお困りのこと、課題に感じられていることはありますか？」「弊社では、運送以外にも○○や△△といったサービスも提供していますが、ご興味のあるサービスはございますか？」というように、営業見込みがあるかどうかを計ります。
　ある運送会社で実施した時は、アンケートの配布に対し、回収率が８８％、案件発生率が２２％と非常に効果を発揮しました。運送会社だけでなく、倉庫業や梱包業においても有効ですので、ぜひ試してみてください。
（船井総合研究所・河内谷庸高）
☆船井総研が運営する環境ビジネス情報サイト「eco-webnet.com」
※記事は13年1月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。