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ブログ・船井総研ロジ
第288回:100年カレンダー
2015年2月23日
先日、ベストセラーの「日本でいちばん大切にしたい会社」にも取り上げられている伊那食品工業の本社に訪問する機会がありました。同社の経営手法は、年輪経営やバランス経営と言われ、48年連続で増収・増益を達成されたことでも有名です。
そんな同社には、社員はもちろん、来客者にも見える場所(ショップや工場、トイレ)に100年カレンダーというものが貼られています。100年カレンダーとは2000年から2100年までの100年間が1枚のカレンダーとして印刷されているものです。
「100年先でも価値ある企業として存続していることを考え、経営の舵取り、決断をするようにしている」という同社会長の方針を、まさに具現化したものです。社員にもこのような思いを知って行動して欲しいという理由で、社内のいたるところに100年カレンダーを貼って、周知されているそうです。
同社会長の座右の銘は、「遠きをはかる者は富み 近くをはかる者は貧す」という二宮尊徳翁の言葉だそうです。目先の利益だけを追い求めるのではなく、未来に向かって新しい種をまき続ける。100年先まで見据えたブレない経営判断が、同社の安定的な成長につながっています。
また、カレンダーの目的はもう一つあります。それは、社員に自分の命日を意識させることです。100年カレンダーの中には、必ず自分が亡くなる命日も含まれています。その事実を認識させ、人生は限りある貴重なもので、一度きりの人生をどう充実させて生きようか、と考えるよう教育しているそうです。
このように、時間という見えないものを、目に見える形となっているカレンダーを活用して常に意識することが、増収・増益という結果として表れています。
(船井総合研究所・河内谷庸高)
☆船井総研が運営する物流ビジネス情報サイト「http://www.ecologi.net」
※記事は14年10月の記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。この記事へのコメント
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本コーナーでは、船井総研ロジ株式会社による リレー連載を掲載します。
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