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ブログ・橋本 直行
【CSよりUS】
2011年7月15日
安心、気配りに特化した鏡のトップメーカーのコミーは、顧客満足
よりもユーザー満足を重視したマーケティングを行なっています。
コミーは、家庭用の鏡は一切手がけていません。
同社の商品は、飛行機の手荷物入れの中や、銀行ATM、エレベーター、
曲がり角などに、防犯・安全確認を目的として設置されているもので、
顧客は航空会社、金融機関、医療機関、小売業などの法人です。
この目的に絞れば、国内シェアは、8割に及びます。
そのように、ニッチトップを走る秘訣が、顧客を満足させるよりも、
実際にそれらの鏡を使うユーザーを満足させることに注力していると
いうことなのです。
同社社長の小宮山栄氏は、次のように述べています。
> 企業はCS(顧客満足)を追求すべきだと言われます。
> けれど、それではコミーは潰れていたでしょう。
つまり、買ってくれる方の満足よりも、使ってくれる方の使い勝手を
重視しなければ、そのうち市場から消えてなくなるというのです。
ですから、コミーの営業担当者は、鏡の設置現場を何度も訪れ、
観察と聴き取り調査を徹底的に繰り返します。
また、なんと無期限の無料破損保障制度を設けています。
ユーザーの過失で鏡が壊れても、無償修理・取替えに応じるのです。
なぜなら、どのように使って壊れたのか、不具合があったのかという
情報が欲しいからです。
このような、US(ユーザー満足)を重視する正しいBtoB企業の視点での
施策を徹底してきたことが、力相応一番化のポイントなのだと思います。
・「なぜ社員10人でもわかり合えないのか」(日経BP社)
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筆者紹介
橋本 直行
船井総研ロジ株式会社 取締役執行役員 事業部長
1972年生。兵庫県尼崎市出身。関西学院大学法学部卒業。物流企業の業績アップ専門コンサルタント。特に、問い合わせを激増させるホームページの企画や受注率を上げる企画提案書の制作のノウハウは、社内トップクラス。 繁盛物流企業を創るための経営研究会「FUNAIロジスティクスソサエティ」主宰。 -
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